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10連休を持て余す

さてさて、平成と令和の境目、10連休まであと少しですね。
あ、でもお仕事によっては10連休なんてとんでもない、って人や、それどころか10連勤だわ!って人もいらっしゃるかもしれませんね。お仕事される方、お疲れ様です。ありがとうございます。そういう方のおかげで世の中が回るんだと思います。
この連休を利用して、海外旅行に行ったり、その他有意義な計画を立てていらっしゃる方には、充実したお休み期間をお過ごしになれますようにお祈り申し上げます。

そんな10連休。しかし私は持て余します10連休!それがわかりきっている!(何を力強く言っているのか)
わかりきっているので本を買ったり借りたりして連休に備えてみたのですが、うっかりその大半を読んでしまったのでこちらにご紹介することにします。私と同じように持て余す予定の方、もし気になったものがあれば見てみてください。

小説部門から

カゲロボ

木皿 泉/新潮社


Tカードの買いものやレンタル情報が令状もないのに警察に提供されていたというのが今年ニュースになっていましたよね。
Tカードに限らず私たちは普段いろんなカードやアプリを利用するごとに、お買いもの記録、レンタル記録、ことによったらPCやスマホの閲覧記録まで丸裸同然になっているんだろうなあと思います(kindleで買った本は、今どこまで読んでいるか、どこで読むのを止めたかまで把握されていると聞いた時は戦慄しました)。今や都会では至る所に防犯カメラもあるので、24時間どこにいても監視下にあるのかもしれない。という得体のしれない気持ち悪さ。を、内心うっすら感じつつもそこらへんは敢えてほじくらず、ふたをして、今日もTポイントを使ったり、楽天やAmazonでお買い物したりするわけですけども。

カゲロボは、人間そっくりのアンドロイドが実はすでにひっそりと完成しており、私たちの社会に普通の人間の顔をして紛れ込みながら、監視ロボットとしてすべてを見、記録しているらしい。という都市伝説めいた噂から始まる短編集です。
都市伝説らしい、少し背中がひやっとする感じと、木皿泉作品らしい、最後の最後に少し人間を信じられるようなひとかけらの希望が両方詰まっています。

私たちは自分の行動すべてを見られているなんて本当にまっぴらだし、そういったことに恐怖と嫌悪をおぼえますが、その一方で、誰かが自分のすべてをわかっていて、見守ってくれていて、「大丈夫だよ」と言ってくれるとこを希求したりもするものなんだよな~。(だから宗教が生まれるんだろうな)


ポースケ (中公文庫)

津村 記久子/中央公論新社


『行きつけのカフェ』が欲しい、と思うことがあります。
どんな時でも一人でふらっと立ち寄れて、重くなり過ぎないご飯とか、今日はお茶だけとか。お店の人や常連客といい感じの距離感で軽くおしゃべりしたり、あるいは特に誰と喋るでもなく本を読んで何時間でも過ごしたり、気兼ねなく、自由にできるような。。。
憧れるなあ~。でも基本的に出不精なので、用もないのに一人でカフェとか行かないんですよね。じゃあ無理だろ!っていうね。


『ポースケ』は、奈良のちいさなカフェを舞台に、カフェを経営している女性、その友達のシングルマザーと娘、朝だけアルバイトしている睡眠障害の女性、逆に午後からのアルバイトの主婦、常連客のピアノ講師、など、カフェに集うそれぞれの人物の日々の葛藤を、津村さんらしい淡々として重くなり過ぎない筆致で丁寧に描いたオムニバス短編集です。

カフェにいる時の顔だけを見ると、睡眠障害の女性が気になるくらいで他はみんな普通に大丈夫そうな人たちなんだけれど、実はそれぞれにいろんな問題を抱えながら、それでも普通の顔してなんとか生きている。

そうなんだよなあ、人って多かれ少なかれそういうものだよねー。何も悩みもなさそうに見える人だって、大抵はなにか抱えていて、それをなんとか凌いで生きているんだよね~、という、「でしょうね」って言われそうな、でも普段は忘れがちな、他人への想像力を呼び覚ましてくれるような、ほのあたたかい作品でした。

タイトルの『ポースケ』って、犬か何かの名前だと思って読み始めたのですが、これは北欧のお祭りの名前でした。


昼間はダンス衣装専門店『シャール』、夜はカフェ『マカン・マラン』となるお店を経営しているのは、元エリートサラリーマンで、今は「品格あるドラァグクイーン」のシャールさん。
構成としては『ポースケ』と同じ感じで、カフェの店主とそこに集う人たちそれぞれが主人公の短編集ですが、『ポースケ』ではそれぞれの悩みはあくまで個人て抱えていくもので、カフェでそれが語られることはなかったのに対し、こちらは悩みを抱え、弱り切った心でたどり着いたお客さんに、シャールさんがその人の体調に合わせたお茶やまかない料理を供しながら、悩みを聞いたり話をしたりすることで、いつしかその人たちが自分を信じて次のステップに踏み出すための勇気を蓄えていくというお話になっています。
『マカン・マラン ふたたび』『~みたび』『~おしまい』の4部作。(私はまだ3冊しか読んでませんが)

会社都合のリストラ対象者となった40代女性や、職場の女ボスとそのグループを嫌いつつ、孤立するのが怖い派遣社員OL、ある日突然、母親の作った食事を一切食べなくなった中学生、子どもが発達障害かもしれないということに不安と焦りを感じる母親、一人娘の進路選択に困惑する中学教師の父親、タワマン住まいの優雅な奥様(実は離婚間近の仮面夫婦)など、さまざまな人が悩みを抱えて、何らかの縁で『マカン・マラン』にやってきます。

色んな人のいろんな悩みの中に、「他人(時に親)からなんて言われるかが怖い」という「毒」が混ざっていることが多くて、そういうことで疲弊している人って本当に多いんだろうなあと思いました。

この手の《どこか理想の隠れ家みたいなところで理解力のある魅力的な聞き手がいて、そこで悩みを話してアドバイスをもらってほっこり》的な話って、作者が下手だととんでもなく押し付けがましいベタな話になってしまいますが、これはよかったです。

どうでもいいけど私は最近「ほっこり」っていう言葉があまり好きではありません。なんっかむずむずするんですよねえ。


ちょっと毛色が変わったものも

あきない世傳 金と銀 源流篇 (時代小説文庫)

髙田郁/角川春樹事務所


以前、NHKでドラマになった『みをつくし料理帖』と同じ高田郁さんの作品。『みをつくし』を勧めてくれた友人の強い勧めて読んでみました。シリーズで出ていて私が読んだのはまだ2巻までなのですが、かなり面白いです。こちらもNHKでドラマ化も近いかも?
江戸時代、幼くして親を亡くした主人公の少女が、奉公先のお店でその才能を認められ、お店の立て直しのために奮闘する、という基本構成は『みをつくし』と似ています。

『みをつくし』では料理屋だったのが、こちらでは呉服屋。賢くて勉強好きなのに「女だから」と学問をさせてもらえなかった幸が、女衆として奉公することになった呉服店『五鈴屋』で、その賢さを見抜かれ、なんと跡継ぎ長男の後妻にという話が持ち上がります。
奉公人が跡取りのお嫁さんになるなんて普通はあり得ないことなのですが、そこにはこの長男がとんでもないアホぼんで、遊郭狂いで借金を作った挙句、いいお家から持参金付きでやって来た嫁にも逃げられ、それでも懲りずに店のお金を盗んだりして(そのお金で遊郭行こうと思ってた)評判を下げに下げ、もうだれも後妻に来るものなどいない、という裏事情がありました。
幸は当然こんな色狂いのアホぼんは大嫌いなのですが、信頼していた番頭さんに、お前は女衆のままで終わるような女子ではない。戦国武将になれる器だ。これはチャンスだ、と説得されて。。。

けなげで賢くて勉強好き、商才がある幸、どこまでもアホ丸出しの跡継ぎ長男、長男が役に立たないので実質的に店を経営しているけれども跡継ぎになれないことに鬱憤がたまっている次男、優しくて物語が好きで商売には全く興味がない三男、傾きかけの五鈴屋、果たしてどうなるか、今後の展開が気になります。


以上、小説部門のご紹介でした。
長くなったので続きは明日。



# by vitablommor | 2019-04-25 10:33 | 本・CD・DVD | Comments(0)

思うこと徒然日記

スマホの話なんですが。
LINEの着信音、(多分)設定変えてないので、よく街中でも聞くみなさんご存じ(?)の『ポロピン♪』って音なんですが、これが最近寸詰まりって言うか『ポロピ…』って感じで不完全燃焼で終わります。しかも調子いい時は(って言い方も変だが)画面offっててもLINEの内容が2行くらい表示されるのですが『ポロピ…』の時はそれもないという事態。しかも毎回そうってわけじゃないから余計にわけがわかりません。
まあそんなに困るわけでもないけど、でも急ぎのLINEだと気付くのが大幅に遅れるかもしれないな。本気で急ぎなら電話してくれよって話ではあるけど。
だれか原因と解決策をご存知の方いますか???


テレビで見た東京大学入学式の上野千鶴子先生の祝辞が素晴らしかったので、リンクを貼らせていただきます。よかったらぜひ全文を読んでみてください。

8割が男子学生という状況の中でのこのスピーチ、どれほど学生の心に響いたかはわからないけれど、

『あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です。』

ここの部分だけでも伝わっていたらいいなあ。


上野先生は「女性学」の先駆者ですが、最近は「男性学」を専門にしておられる方もいらっしゃるようです。
「男は外で仕事をして家族を養い、女は家の中で家事と家族の世話をしろ」というような男女の役割の固定化に対して、「冗談じゃない!なんで女だからって家の中に縛り付けられなければいけないの?!」って反発する女性がいるなら、当然同じように「冗談じゃない!なんで男だからって一生外で仕事をして家族を養えなんて決められなきゃいけないの?!」って反発する男性がいてもおかしくないわけです。
今の(日本の)社会は男性が生きやすいようにできている、と言われていますし、実際そういう部分も大いにあると思いますが、そんな男社会日本の自殺率は、毎年毎年常に7割が男性なんだそうですよ。これ本当に男が生きやすい社会なの?

女性が社会から受ける「圧」と男性が社会から受ける「圧」、質の違う「圧」があって、両性それぞれを苦しめているんじゃないかと言う気がします。
両面からアプローチしていかないと、性差関係なく生きやすい社会っていうのはできないんじゃないかなあ?


そういえば一個前の記事で、「女の幸せ」って多分おじさんが作った言葉だから信じちゃダメです、って話を久能整くんが喋ってたのを書いたのですが、どうでもいい話っちゃそうなんだけど、私もずっと前から気になっている言葉があって
「出産の痛みは女だから耐えられるのであって、男には耐えられない」って、あれ、誰が言ったんでしょう?
そもそも誰も試したことないのになぜそう言える?っていうのと、それを何の目的があって誰が言い始めたんだろう?っていうのが疑問。
妊娠出産の大変さを誇張したい女性が言い始めたのかなあ?とも思うけれど、どうも私はこれ、それこそおじさんが、出産に対してある種の神性を持たせることで「だから諸々我慢しろ」ってことを女性に対してぎゅーっと押し付けてくるようなフレーズだなあという感じがしてちょっと嫌なんですよね。「女なら耐えられるだろう」みたいな。アン・ルイスか?!(なんのこっちゃわからない方は「アン・ルイス woman」で検索してください)

あと出産の痛みを、「鼻からスイカを出すくらい」っていう有名なフレーズもあるよね。あれもいったい何なの?
鼻からスイカは無理じゃん。どう頑張ったって出せるわけない。小玉スイカでも無理じゃん。
あれで無闇に出産に対する恐怖心を植え付けられる女性もいるのではないかと思うと、もうそこまで話盛るのやめません?って言いたい。
私は過去に「鼻からスイカ出すくらいなんでしょう?」って聞かれたときは、「鼻から・・・って言うなら、スイカまでいかない。ジャガイモくらいじゃないかな?」って答えていたんですが、そもそもなんで鼻で言いたいか。鼻は無理じゃろ。
スイカ生かしで「お尻からスイカ」でよくないですか?どうでもいいですか?


以上です。
週の真ん中水曜日、あと半分、がんばりましょう。


# by vitablommor | 2019-04-17 10:59 | ひとりごと・日常 | Comments(4)

語彙力と表現力!!

おすすめのマンガです

ミステリと言う勿れ (1) (フラワーコミックスアルファ)

田村 由美/小学館



田村由美さん、私が学生の頃から長く長く書き続けていらっしゃる方ですが、久しぶりに読みました。
めっちゃくちゃ面白かったです。
彼女も友達もいないが快適に生きているカレー好きな大学生 久能整(くのうととのう)君が主人公
冤罪で殺人犯にされそうになるのを皮切りに、いろんな事件に巻き込まれていくのですが、どこの事件現場でも常に飄々としていて、ふとしたきっかけから色んなことに対して「僕は常々思ってるんですが…」と滔々と語りだしちゃう。その語りが実に実に面白い!のです。

たとえばー
「どうしていじめられてる方が逃げなきゃならないんでしょう
 欧米の一部では いじめてる方を 病んでると判断するそうです
 いじめなきゃいられないほど病んでる
 だから隔離してカウンセリングを受けさせて 癒すべきと考える
 日本は逆です
 いじめられてる子をなんとかケアしよう カウンセリングを受けさせよう 逃げる場を与えよう
 でも逃げるのってリスクが大きい
 学校にも行けなくなって 損ばかりする
 DVもそうだけど どうしてなんだろう
 どうして被害者側に逃げさせるんだろう
 病んでたり 迷惑だったり 恥ずかしくて 問題があるのは いじめてる方なのに」

またたとえばー
「”女の幸せ”とかにもだまされちゃダメです
 それを言い出したのは 多分おじさんたちだと思うから
 女の人から出た言葉じゃきっとない
 だから真に受けちゃダメです
 女性をある型にはめるために 編み出された呪文です
 だって ”男の幸せ”って言い方はあまりされないでしょ
 片方だけあるのはやはりおかしいんですよ」

胸のすくような、そうそう!それ私も思ってた(でも明確に言葉にできていなかった)ということを整君が語ってくれるので、すごいカタルシスがあります。もちろん本筋のお話も面白いですよ。
現在4巻まで刊行中。今後も楽しみです。


そしてもう一冊、こちらはだいぶ前に読んだのですが、多分記事にしてなかったと思うので
よくできた短編映画の様な味わい。で、すごくいいです。

よくあるつまらない田舎町でつまらない毎日を過ごし、仕事辞めたいわ~って思ってる主人公のカナエ。幼馴染のかずきが凄いロケットを作って飛ばそうとしていることを知り、これはお金になるのでは?!と、最初は利用しようとするのですが、かずきがロケットを飛ばそうと思ったきっかけとその目的を知って、自分もロケット作りにのめり込んでいきます。
かずきの夢とかずきお兄さんやその不倫相手の梨穂子さんの鬱屈、航空法の問題、警察の介入。果たしてロケットの打ち上げは成功するのか-

これ、どこがどういいって、うまく表現できないんですよね~。でもいいのよ!
すごくいいのに、どういう風にこの良さを表現するかで躓いちゃって、だから記事にしていなかったと思うのですが(既に書いてたらごめん)「とにかくいいから!」というバカみたいな表現ででもご紹介したいと思いましたので載せます。

よかったら読んでみてください。


語彙力と表現力、文章の構成力など、いろいろ磨きたいな~と思わされた作品二つ。本当におすすめです。




# by vitablommor | 2019-04-12 10:44 | 本・CD・DVD | Comments(0)

六本木とか渋谷とか

どーん!六本木ヒルズですよ
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私、六本木なんてもう一生行くことが無い、私には縁のない街だと思っていたのですが、今回はどうしても行きたい展示会が六本木の森タワーのギャラリーであるっていうので行ってきました。「ギロッポン、怖ぇ~」と思いながら行きましたが、昼間の六本木はビジネスマンが多くて整然として平和でした(六本木に対する偏ったイメージ)。

そんな六本木で観たかったのは、ムーミン展
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「展」の字がムーミンぽくてかわいい。
ヤンソンの挿絵原画や挿絵のためのスケッチが多数。小さな作品が多かったのですが、とても見応えがありました。
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同じフロアのレストランで、展示会とのコラボメニューもやっていたのですが、デザート系が多かったことと、おばちゃん的観点からいってこういうメニューって見た目は本当にかわいくてインスタ映えはするんでしょうが、ボリューム感の割にお値段高いんで、そちらはやめておきました。レストランの外壁の絵だけちゃっかり写真撮らせてもらって退散。
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ちなみにこちらはギャラリーのある森タワー52階からの眺め。左奥に新宿の都庁ビルが見えます。手前の緑は青山墓地かな?新宿御苑っぽいのも奥に見えて、東京はビルも多いけど意外に都心でも緑が多いんですよね。

せっかく東京まで出てきたので、これもまた見たかったクマのプーさん展を観に、渋谷Bunkamuraへ
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プーさんは、ディズニーアニメだってもちろんいいんですけど、大人としてはこの原作の絵がやっぱりいいんですよね~。
こちらも小さな絵がほとんどで、しかも線が薄いものも多かったので老眼にはキツイものがありましたが、キャラクターや絵本作りに対するこだわりが伝わる、いい展示でした。

六本木だの渋谷だの、今回は(私的に)珍しい街に足を運びました。
遠くて近い東京。次回行くときはもっと下調べして、おいしいお店とかにも寄りたいです。

ちなみにプーさん展はもうすぐ終了。ムーミン展は6月まで開催しています。


# by vitablommor | 2019-04-10 10:09 | おでかけ | Comments(4)

春に思う

4月も2週目に入りました。
この春、新入学、あるいは新社会人など、あたらしいステージに進まれた方も多いかと思います。
新しい環境に対する期待と不安とがないまぜになった気持ちで、日々を過ごしている人も多いでしょうね。
私もあの緊張感は未だ鮮明に憶えています。進学とかじゃなくても、進級のクラス替え程度でも結構ドキドキしたなあ。隣のクラスは異郷、初めて同じクラスになる子は異邦人も同然。
あの緊張感が嫌いでした。
その記憶のせいで、私は春があんまり好きじゃないのかもしれません。


そんな記憶も今は昔。もう進学も進級もしない大人になった私は、今や子どもを新しい環境に送り出す立場になりました。
親になって初めて気が付いたことって多くありますが、自分の経験を振り返ってみて、よくもまあ私の親は、料理も何もしたことがない世間知らずの18歳の娘(私)を、誰一人知り合いもいない場所にぽんと送り出してくれたもんだなあとびっくりします。
一人暮らしを始めた後も、ほとんど電話も何もなく(そもそも最初の2年くらいは部屋に電話つけてなかったし)、長期休暇でも帰省を催促されることもなく、一切と言っていいくらい何の干渉もありませんでした。今思えば本当にお見事。見事な子離れっぷりでした。

何度も書いたことですが私の家は凄く田舎にあって、家から通える大学というものがなかったので、「進学=一人暮らし」が当たり前だと思っていたけれど、そういえは同級生の中には「寮じゃないと許してもらえなかった」と言っていた子も何人かいました。経済的な理由なのかと当時は思っていたけれど(寮は安いんです)、今にして思えば寮に入れることで、親御さんが少しでも安心したかったのだろうなあと察しがつきます。子を持って知る親心。初めて子どもを手離す春は、そりゃあ心配でたまらないのが普通ですよね。私のことですけどね。めっちゃ干渉したい。でも我慢。たぶんそのうちお互い慣れる。


私にとって、空気を一気に染め変えるように一斉にぶわっと咲いて、パアーッと盛大に散るソメイヨシノは、春の寂しさと焦燥感とハラハラ感の象徴です。
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この春、新しいステージに向かうすべての人たちに、幸多かれと祈ります。みんな頑張れ!新しい生活、楽しんで!



# by vitablommor | 2019-04-08 09:36 | ひとりごと・日常 | Comments(0)

コサージュや布雑貨の製作、販売をしています。 


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