カテゴリ:本・CD・DVD( 155 )

日々是好日

樹木希林さんと黒木華さん、好きな女優さんの共演作で、「これ絶対観よう。」と決めていた映画『日々是好日』
希林さんの遺作ともなった映画なので、さぞかし沢山の映画館で掛かるだろうと思っていたのに、うちの近所の映画館では今月も来月も上映予定にない!
今月中に観たいと思ったら、西の方か東の方に1時間かけて出かけていくしかないらしい。田舎って悲しーい・・・(泣)


仕方がないので(というのは失礼だけど)ひとまず原作本を買いました。

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

森下 典子/新潮社

そしたらこれがすごく良くて…!!!読んでよかった。

エッセイと言うか、私小説?大学生の時にお母さんに勧められて、いとこと一緒に近所の「武田のおばさん」にお茶を習いに行くことになった典子さん。
最初はお茶の細かな作法や決まりきった形式に戸惑い、反発を感じながら。勉強や就職活動に追われる日には「こんな忙しいときにのんきにお点前なんてしてる場合じゃないのに」と苛立ちながら。後から入ってきた若い人の才能に焦り、自分にはお茶なんて向いていなかったのではと自信をなくしながら。行きたくないな~と思う日々も。もうやめようと決めた日も。
それでも20数年お茶を続けて、その中で見えてきたもの。

私は茶道を習ったことはないし(そういえば若いころは憧れたー)、これからも習う予定はありませんが、「お茶」っていいな、って思いました。
いや、「お茶」それ自体がどうこうというよりも、それを通して作者が掴んだもの。
季節や空気の匂いに敏感になることや、美しい所作や立ち居振る舞い、もてなしの心、成長を待つということ、そして何より「今、ここ」に100%いる、というあり方が、すごくいいな、と。

茶道をなさっている方ならば、より深い理解と共感が得られると思いますが、私のようにお茶なんてペットボトルばっかり飲んでいるような者にもとても響くものがありましたので、同輩の皆様にもお勧めです。

これ、多分とても静かで地味なんだろうけど、心に沁みるいい映画になったんだろうな~。
黒木華ちゃんの典子さんと樹木希林さんの武田先生、ますます観たくなりました。


今日からせめて姿勢だけでもピッとして生活しよう。



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by vitablommor | 2018-10-11 08:41 | 本・CD・DVD | Comments(4)

人生相談

ふと思ったんですが、よく言う仕事の「ホウ・レン・ソウ」ってあれ、報告・連絡・相談ってやつ。
あれの報告と連絡ってわける必要ありますかね?報告でまとめちゃってよくない?
なんか「ほうれん草」にしたくて無理やり「レン」ぶちこんでない???

ということを洗濯物を干しながら今朝思いました。


お悩み相談本をね、最近読んだんですわ。

悩み相談本って、実は私、結構好きかも知れないです。
思い返せば朝日新聞(だったか?)に連載されていた『中島らもの明るい悩み相談室』が好きでした。
ジェーン・スー『相談は踊る』も、雨宮まみ『まじめに生きるって損ですか?』も、吉本ばなな『人生って?』も、全部好きで所蔵しています。どれもとてもいいんです。
私自身は誰かに悩み相談をすることはあまりないし、お悩み相談の回答を私自身の何かに役立てようと思っているわけではないのですが、なぜかついつい読んでしまうんですよね。新聞、雑誌の相談コーナーなんかもそういえばよく読みます。
お悩み相談ものって、回答者の世界観人生観とか人生経験とか、器の大きさ懐の深さとか、あと自分をどれほど偉いと思ってるかとか、いろんなものが否応なしに透けて見えてしまうので、そこが面白いのかもしれません。

そういう意味では以前こちらで紹介した『子供はなぜ勉強しなくちゃいけないの?』って本は、思い返せば興味深かった。
回答者は著名ないわゆる有識者の方ばかりなんですが、回答内容を読むと「うわ~、つまんねー!」ってものも実はあって。
まあこの質問自体がもう使い古され感があって難しかったのかもしれないし、一つのことであまり判断してもいけないかもしれないけど、やっぱりそこでつまらない回答を出す人のことは、ああこの人つまらない人だなって思ってしまいました。偉そうだけど。

私は普段からぼーっと生きているし、人生経験も(年数の割に)少ないし、人生の振り幅も感情の振り幅も大きい方じゃないので、色んな人生経験をしてきて、悩んだり傷ついたりしながら沢山色んなことを考えて生きてきた人の、私なんかには思いもつかない角度からのものごとの見方にハッとしたり、「おお!」と呻ったりしたいのです。そうして今までなかった視座を身につけたいわけです。多分。これは悩み相談本だけじゃなくて、読書全体に期待することでもあるのだけれど。

そうしたわけなので、昼は普通の営業係長、夜はオカマ(女装ではない)として、私とはまるで違う世界に生きているBSディムさんの回答はいかに?と期待して読みましたが、意外にも?回答はどれもまともなものばかりでした。
まえがきに「オカマは異性愛者にはない人生経験を積んでいて、男女両方の気持ちを理解してくれて、ウィットに富んだ返しと豪快な毒舌で溜飲をさげてくれる……そんなイメージから、オカマに相談を持ちかけたいという相談は後を絶たない」けど、「多くの人間が凡人であるように、多くのオカマもまた、凡人なのよ」とありました。
オカマさんだからさぞかし…という私の期待は、ある種のLGBT差別だったかも…と気づかされました。すみません。
あと、この本はサブタイトルで「オトナのためのお悩み相談」とありますが、大人よりもむしろ10代20代の若い人に沁みるんじゃないかと思います。
相談者もそのくらいの人が多いし、「友達のSNSでの幸せアピールに腹が立つ」とか、大人にはもうどうでもいいでしょう?
BSディムさんももう30代の大人の方なのですが、こういう若い悩みに親身に答えていらして、多分心根の優しいいい方なんだなあと、そこはすごく伝わってきました。



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by vitablommor | 2018-10-09 10:29 | 本・CD・DVD | Comments(2)

最近読んだ本

台風24号、凄かったですね。
みなさまのところは被害はありませんでしたか?

幸いにして我が家は停電もなく、家屋の破損などもなかったですが、強い風に家全体がどん!と揺れると言うのは九州を出て以降、初めての経験でした。雨戸が無くて窓が多い家なので、ガラスが割れるかと怖かったです。
朝になって、前日のJR運休の影響で家に戻れなくなった子どもを迎えに駅まで行ったのですが、途中の道でも電線が切れて道路に垂れ下がっていたり、神社の木がバキバキに折れて沢山落ちていたり、被害の凄まじさにひえ~っ!となりました。(ちなみに子どもは親戚の家に泊まらせてもらって快適に一晩過ごしましたのでご心配なく)

台風25号も同じようなルートを通る可能性があるそうで、もう勘弁してほしい。
くれぐれも用心して過ごしましょう。


さて、ここからは本の話。
私の大好きなピンク色のアーティスト『レ・ロマネスク』のTOBIさんが今までに遭遇した数々の「ひどい目」エピソードが書籍化されました。

レ・ロマネスク TOBIのひどい目。

TOBI,奥野武範/青幻舎

慶應義塾大学を卒業したものの、4月に入った会社の社長が6月に夜逃げして倒産。その後も入った会社が次々倒産するという倒産スパイラルを経て、北海道の牧場で牛糞にまみれ、いつの間にか空き巣に住み着かれ、パリでは銀行強盗に巻き込まれて拳銃をつきつけられ、ギャングの抗争に巻き込まれ、部屋が排水で水浸しになり、ガソリン切れのクルーザーで大西洋を漂流…と、嘘でしょ?ってくらい次々ひどい目に遭うTOBIさん。
本気で命の危険もあるような悲惨な状況でも、そのエピソードはどれもこれも可笑しくって笑ってしまいます。人生の悲劇は、見方によっては喜劇。TOBIさんの飄々としてどこか他人事のように客観的な語り口が、悲惨な状況もどこか笑えるエピソードに変換してしまうのですね~。
内容はネットで既に読んだものがほとんどだったのですが、まとめて読むとやっぱりまた面白かったです。
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「へんなしおり」ももらえた♡

「レ・ロマネスクって何?」と言う方は、こちらをどうぞ~↓

「拙者サムライダンディー」もおすすめです♡



2冊目はがらりと趣が変わって、中村文則さんの「教団X」

教団X (集英社文庫)

中村 文則/集英社

何年か前にテレビの「読書芸人」の会で、読書好きのお笑い芸人の方がこぞって「これは凄い」って褒めていたので気になっていた本。気になりながらも分厚さと、表紙のイメージからなんだかおどろおどろしくて暗そうな話?と怖気づいてなかなか読まなかった本。

読んでみたら意外にも暗さはそんなでもなく、すごく面白かったです。
勢いでわーっと一気に読んでしまったせいもあって、結局教団Xの教祖は何をしたくてあんなことしたんだっけ?とか、色々「ん?」って思う部分もあるんですが、何しろ分厚い本なので読み返すのもちょっとめんどい。でも面白かったですホントに(2回言った)。

タイトルにもなっている教団Xは性の解放を謳っているという設定なのでセックスシーンが結構あって、しかもそれがちょっとなんていうか特殊な状況だったりで、女性の方はもしかしたら不快に感じる部分もあるかもしれませんが、それはそれとして、終盤の「よっちゃん」さんのセリフがとにかくいいので、最後まで読み進める価値ありです。

中村文則さんの本はこれが初でした。



最近になって急に、本を読んでいるといつの間にか寝落ちしてしまうようになって、読書のスピードが半年前に比べて5倍かかってしまいます。これは老化???
読みたい本が今どっさりあるので、できれば2倍速で読みたいくらいなのですが。
ソファで読まずに立って読めばいいのかな?
ちなみにバランスボールに座って読む、というのを試してみたら2分で酔いました。オェェorz






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by vitablommor | 2018-10-02 12:07 | 本・CD・DVD | Comments(4)

今更ながらの『コンビニ人間』

コンビニでバイトしている芥川賞作家、として有名な村田沙耶香さんの新作『地球星人』の紹介を、この間、テレビ番組でやっていました。
とても面白そうだったのですが、その本のあおりとして『コンビニ人間をはるかに超える衝撃作』などと言われていたので、それではまず芥川賞受賞作でもある『コンビニ人間』の方を先に読んでみようということで、今更ながら読みました。

コンビニ人間

村田 沙耶香/文藝春秋


幼少期から世の中に全く馴染めず、どういう風にふるまえば「普通」なのかがわからないまま行きてきた主人公の女性が、完璧なマニュアルに沿ってさえいれば大丈夫なコンビニ店員という職を得ることで、一時期ラクに生きられる場所を得るのだけれど、30過ぎて就職も結婚も一度もしたことのないままコンビニで18年間ずっとアルバイト生活、という彼女を、まわりの人たちは放っておいてくれず、周囲の人の目を誤魔化す目的もあって男性と同居(ヒモ飼い)を始めたものの。。。


村田沙耶香さんと言えば私の中ではコミック『おあとがよろしいようで』(オカヤイヅミ著)で、「いつか人肉を食べるつもり」とのほほんとお話されていた「クレイジー沙耶香」(実際作家仲間の間でそういう異名がついているらしい)のイメージが強く、一体どんなとんでもないお話なのかと思って読んでみたのですが、思うほどクレイジーな話ではなかったです。

言ってみれば『生き辛さを抱えていた主人公が、周りに流されそうになったり自分を見失いそうになりながらも自己を確立する話』です。すごく真っ当な話です。でも面白かった。

主人公はすごく論理的で頭がいい女性だし、彼女の考え方は一般的な日本人とは確かにずれているんだけれどきちんと整合性があり、責任感もあれば家族に対する思いやりもあるし、私、彼女が「普通」の仮面をかぶっていなくても友達になれそうな気がします。
主人公と同居することになる男性は結構とんでもなく嫌な奴(自分は仕事できないくせに周りの人を見下していたり、変な理屈ばっかりこねるんだけどその論理は破たんしてるし、責任感ゼロの依存体質で、一言で言ってとことんクズ)なのですが、「あー、こういう奴いるいる!」って、多分だれでも思っちゃうようなリアリティのあるキャラクターで、そこがまた面白かったです。

村田沙耶香さんの作品、好きかもしれない。
『地球星人』も読んでみたいと思います。なんか「読後感最悪」って声も聞くので、読む前にちょっと覚悟がいるけどね。


ちなみに村田さん、もうコンビニのアルバイトは辞めて小説に専念されていると言うことでした。




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by vitablommor | 2018-09-12 14:13 | 本・CD・DVD | Comments(0)

動いてみること

『出会い系サイトで実際に70人と会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』
という、長ったらしいタイトルの本を読みました。

変人の面白体当たりルポかと思わせるタイトルなのですが、実際読んでみると、これはもう、都会の大人の冒険小説でした。
いや、小説じゃないんですけど。冒険譚?

著者は(当時)ヴィレッジヴァンガードで店長をしている30代の女性。仕事にも結婚生活にも行き詰まり、そんな現状を変えたくてもがく中でたまたま知った風変りな出会い系サイト『X』。男女の出会いに限定せず、ビジネスチャンスを求める人、手品を見せたいだけの人、など色々な目的の色々な人が、「30分会ってお話しましょう」とトークを登録するシステムの『X』に、著者は「1万冊を超える記憶データの中から、あなたにぴったりの本をおすすめします』という売り文句で登録。1年間で様々な人に出会い(いい出会いも嫌な出会いも)、出会いの中で救われたり傷ついたりしながら1年間を過ごすうちに。。。。

帯に『タイトルからは予測できない、まさかの感動の声、続々』とあったのですが、本当にそんな感じ。

最初の方に「わらしべ長者計画」で世界一周のチケットを手に入れようとしているという大学生との出会いがあるのですが、次々に色々な人と出会って、次第に人を見る目とトーク力と気の合う友人、傷ついても大丈夫と思える勇気を手に入れていく著者の姿こそがまさにわらしべ長者のようで、悩みや鬱憤を抱えつつも日々を疾走し、成長する著者の姿を伴走者のように追いかけていく読書体験は爽快なものでした。

結局自分が動かないと世界は変わらないし、自分が動けば世界は変わるのだなあと。
言葉だけでは「まあそうだろうね」いう感じになってしまうと思うのですが、こんな薄っぺらい言葉をもうちょっと深いレベルで納得させてくれるような一冊。

読んでみてよかった。面白かったです。





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by vitablommor | 2018-08-30 10:37 | 本・CD・DVD | Comments(6)

伝説のお母さん

昨日の記事で、結婚して子供を持った後の働き方が女性だけの問題のようになっているのは理不尽、ってなことを書きましたが、この記事を書いた数時間後に、書店でこちらの本を見つけました。

伝説のお母さん

かねもと/KADOKAWA


本の内容をさらっと紹介すると-
かつて魔王を封印した伝説の魔法使いである主人公、平和になった世界で結婚、出産。0歳児を抱え専業主婦をしていたところに魔王復活。国王から再度の魔王討伐の命が下るも彼女には事情があった。
「いや、それはすぐにでも戦いに参加したいんですけど」
「あの こちらは子供もいますし」
「だ、だから無理なんですって
保育所空いてないんですよ!」
保活の激戦区で待機児童は100人!夫は家事育児に関する当事者意識ゼロ!さらにかつての仲間だった伝説の勇者は、保育所完備、完全週休二日で残業ゼロと高待遇の魔王側に寝返った。国王はなんとしても伝説の魔法使いに復職してもらおうと魔法使いの夫を失業させて彼に育児をさせようとするが、「家事育児は女の仕事だろ」という夫は、失業しても家庭ではやっぱり役立たずで・・・・・。

どん詰まりの状況から、さて伝説の魔法使いはどういう行動に出るのか?「お母さん」と「魔法使い」の両立は無理なのか?
…という感じで、ストーリーとしてはファンタジーになるんですが、ワンオペ育児をする女性のリアルが詰まっていました。
面白かった!

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夫があてにならないため子連れでモンスター討伐に出るも、まるで仕事にならなかった日の夜の場面
金髪が主人公の魔法使い。昨日の私と同じこと言ってるのは伝説のシーフ(私は根絶やしとは言ってない)



この作品、書籍化以前にTwitterで発表された直後からかなり話題になってたみたいなんですが、私はそれを全然知らなくて(そもそもツイッターやってないし)、本当に偶然、昨日のブログを書いた後に、本屋さんに平積みされていたこの表紙が目に留まって読んでみたんです。引き寄せ!

こちら、書籍化された今もネットで(無料で)読めるようになっているみたいです。かねもとさん、欲のない方!
ネットだと4コマ形式なので、書籍の方が読みやすいとは思うのですが、即買いするほどではないけどちょっと興味あるから試し読みしたいよって方はこちらから読めます⇒


8月10日、ハットの日ですが、とてもじゃないけどアイロン使える暑さじゃない。
秋がくるのを待望しております。

本日もおつきあいいただき、ありがとうございました。

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by vitablommor | 2018-08-10 15:11 | 本・CD・DVD | Comments(6)

二択ではない

思えば妊娠して初めて母子手帳を見た時に、出生時のデータを書くページに身長や体重とならんで性別欄があって、その選択肢が『男・女・不明』となっているのを見て、「不明なんてことがあるのか~」って、なんとなく思ったことがあったんです。
もっと遡れば中学の時、新井素子の『二分割幽霊綺譚』という本を読んで、『半陰陽』っていう言葉と、そういう人が稀にいるんだということも知ってたはずなんです。
だけどそういうのって、どこかフィクションっぽく(実際新井素子さんの本はフィクションだし)て、そういう人のことをリアルに想像したことはなかった。


毎日新聞での連載をまとめたこの本を読んで、初めてそういう人たちの存在がリアルに感じられるようになりました。

境界を生きる 性と生のはざまで

毎日新聞「境界を生きる」取材班/毎日新聞社


外見的には男(あるいは女)で生まれてきたけれども染色体(女性:XX、男性:XY)的には逆だっり、外性器をみても男女の区別がつかない、卵巣と精巣の両方があるなど、男女どちらでもない人というのが稀にいらっしゃるようです。
そんな風に性別未分化で生まれてきた子どもを「どちらの性別にしますか?」と医師から選択を迫られて悩み苦しみ、選択した後もこれで本当によかったのかと苦しむ両親の話が冒頭にありました。また、成長するうちに「自分が周りと違う」ことに気づき、苦しみ、死にたいとまで思い詰める子供たちの話も。
胸が締め付けらるような思いで読みました。


当事者の苦しみは当事者にしか絶対にわからないものだと思いますし、中途半端な知識が却って苦しんでいる当事者を傷つけることになることがあるのも知っているつもりですが、やはり無知は罪なんじゃないかという気がします。

世の中、男と女しかいない、ってわけじゃないってこと。
だけど圧倒的マイノリティである人たちは、そういうことを言うこともできずに苦しんでいることもあるってこと。
心に留めておきたいと思いました。


性分化疾患の話だけでなく、昨今話題になることが多いLGBTの人たちの話も載っています。
LGBTに代表されるいわゆる性的マイノリティの人口は、調査方法によって異なりますが一説には日本人全体の7.6%。左利きの人やAB型の人と同じ割合でいるのだそうです。これが本当ならクラスに2人くらいはいるってことになります。私は今までの人生でカミングアウトしているLGBTの人には会ったことがありませんが、実は言ってないってだけで、性的マイノリティの人は意外に身近にいるのかもしれません。
左利きの人になら何人もあったことあるもんなあ・・・。
左利きの人が右利き用の鋏が使いにくいって話を聞いて「あ~、そうかー!気が付かなかったわ。それは不便だね」って言うような感覚で、LGBTの人の話も(たとえばトランスジェンダーの人がトイレどっちに入るか問題とか)「あ~、そうか。それは困るね」とかって普通に言えるような感覚になっていけばいいのにねって思います。


話は逸れましたが、丁寧な取材がされたいい本でした。ご一読をおすすめいたします。


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by vitablommor | 2018-06-07 10:35 | 本・CD・DVD | Comments(0)

勉強はできる時にしておいたほうがいい(って森高千里が歌ってた)

先週会った友人が、これから塾講師のアルバイトの採用面接を受けると言う話をしていまして。
そこの塾では最近講師が4人くらい一気に辞めてしまったとかで(おい、何があった?)、「働いてくれる人を探しているみたいだけど、よかったら一緒にどう?」って誘われたんですが、面接以外に中学卒業程度のレベルの学科試験(国英数)があると言う話だったので、「受かる自信がないわ~(特に「数」が)」、ということで遠慮しておきました。

そんな折、新聞に中学生の全国学力調査の問題と解答が載っていたので、こわごわやってみることに(数学だけ)。
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なんとか中学卒業程度の最低限の学力は残っていた模様で、ほっ f(-▽-;)

あ、でもこれ中3の子が今頃やってるってことは、中2までの内容か?!がーーーん。。。道理で易しいと・・・ぬか喜びー!T◇T


最近、『中学3年間の数学(または英語)を1週間でおさらい』みたいな本が気になります。
10代の頃の私は、しぶしぶ学校に行って、せいぜい怒られない程度の成績で、「わかるような~、あ~でもやっぱりわかってなかった~(試験を受けるとわかってなかったのが露呈する)」って感じで、誤魔化し誤魔化ししながら勉強を「やり過ごして」きた感があって、本当に時間と機会の無駄遣いだったなーと今更思うのです。(お金もね。親には申し訳なかった。大学で学んだこと一個も今に生きてない)

数学と英語は特に苦手科目で(高校になってからは世界史も化学も苦手で)、「数学なんて卒業したら一生使わないのになんで今こんなことやらなきゃいけないの?!」って思っていたし、「私が大人になるころには自動翻訳機ができるに違いない!だから英語なんて今やらなくてもいい!」って思っていました。
でもって本当に卒業したら数学なんて使わなくても生きていけちゃってるし、英語も(まだまだ発展途上ですが)自動翻訳機が出来てきて、しかも私ずっと日本に住んでるからできなくても困っていないんですが。

なんか、もっとちゃんとやっておけばよかったな。って今更思うんですよ。

あのころは「どうして勉強しなくちゃいけないの?!」って不満たらたらだったけど。

子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?

おおたとしまさ/日経BP社

図書館でこの本を見つけて、なぜ勉強するのか?問われたら、今の私なら何て答えるかな?世の中の頭のいい人たちはどう答えておられるのかな?と興味が湧いて読んでみました。
瀬戸内寂聴さんや内田樹さん、茂木健一郎さん、養老孟司さんなど8名の著名で頭のいい方たちそれぞれのお答え。おお~、と思うものも、う~んと思うものも。。。
その中で私が最も「これは!」と思ったのは、養老孟司さんの文章でした。


「そんなくだらないこと聞くんじゃない。だったらお前はなんで生きてるんだよ?」


なんでなのか人に聞いて、納得したらするし納得しなかったらしないなんて、そんなことでどうするのか(だったら生きてる意味がわからなかったら死ぬのかよ)と、そんなことは勉強しながら自分で考えることだろうって、これ本当にそうですよね。不平たらたらで「なんで勉強なんてしないといけないの~?」って口尖らせて聞いた時にこんなこと言われたら、きっとちょっと笑ってしまって、しかもぐうの音も出ない。これ以上の答えは、ちょっとないかもしれません。


この本は前半は子供向けに、後半はほぼ同じ内容のことを大人向けの文章で書いてあるので、お子様が「なんで~」と言い出した時に読ませてもいいかもしれません。
でも小学校低学年くらいだとまだ難しいかも。それなりに言葉を覚えて、生意気な屁理屈をこねるようになってきた年頃の子にどうぞ。最後に「くだらないこと聞くな。自分で考えろ」って養老先生が喝破してくれます。





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by vitablommor | 2018-04-23 10:54 | 本・CD・DVD | Comments(2)

褒めて伸ばせ、という心の叫びについて

新刊出てたので買っちゃいました。
だって「めんどくさくない献立」ですよ?
毎日食事を作っている人にとって献立って本当にめんどくさいじゃないですか?それを「めんどくさくない献立」にしてくれるのならもう本当に万々歳。
前書きに、
『家族に聞いたら「なんでもいい」とか言うじゃないですか?でもその「なんでもいい」には「俺の好きな物であれば」「昼ごはんとかぶってなければ」「パンじゃなければ」「変わった味付けじゃなければ」…などなど影の条件が無数に存在するんですわ。全然なんでもよくないんですわ』
とあって、もう、それなーーーーー!って感じ。即買い。

それで最初に載っていた献立を、メイン・副菜・汁物すべてそっくりそのまま夕飯に作りました。
簡単で、あんまり沢山鍋やボウルを汚すことなく手早くできて、おいしかったです。
すーーーごーーーーーい!とちょっとテンションが上がりました。
それで、よせばよかったのに夫に「どう?」って聞いてしまったんですね。
よせばよかったのに。。。というのも、大体この手の質問をしてこちらの希望する回答が得られた試しはないのです。
今回も
「全部初トライメニューだよね」
から始まり、
「最初にねぎだけ食べて味がないなと思ったんだけど、鶏肉と一緒に食べるとちょうどいい味の濃さになって、まあこれはこれでいいんじゃない?」
と、なんだか料理を分析し始め、
「うん、まあ嫌いじゃないよ」
と言う感じで、『感想』(上手いか不味いか)を聞きたいだけだったのに『論評』が始まってしまい(しかも上から目線の!自分では作らないし作れないくせに上から目線のっ!!)、非常に気分が盛り下がりました。

結婚して大体20年なんですが、私の料理が上達しない理由の一つがコレなんじゃないだろうかと昨夜急に思いましたね。
決してほめて伸ばさない言葉選び。

そういえば夫は子どもがテストで98点とった時も「ふーん、で、その2点はどうして落としたの?」って聞く人でした。悪気なくね。

こういうのってクセみたいなものなんだろうから、今後はこちらとしても「美味いか不味いかのみ言え」「ていうかもう美味いって言え」って言っていこうと思います。


それはともかくこの本に載っている料理はどれも簡単でおいしそうだし、なんか珍しい食材や調味料がなくても作れるものばかりで気に入ったので、また今日もこの本の通りに作る予定です。



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by vitablommor | 2018-04-10 14:31 | 本・CD・DVD | Comments(2)

あんまり面白かったのでちょっと熱く語らせてください

4月ですね。
新年度が始まりました。
この春新入学を迎えられた皆様、おめでとうございます。新社会人の皆様、進級された皆様も、おめでとうございます。
とりたててめでたいことなく春を迎えられた皆様も、なにしろこのブログをご覧くださるほどには息災でいらっしゃることをお慶び申し上げます。平穏って素敵ですよね。


と、それはさておき。
山本ゆりさんのエッセイ本がめちゃくちゃ面白かったです。
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タイトルの引きが強いよね。
そういえば私もスタバで普通のコーヒー頼んだことない。ていうかティー系頼む割合高め。なんかすみません。

著者の山本ゆりさんは『syunkonカフェごはん』で有名な方。
ご存じない人のために説明しますと、こういうタイトルの料理本がめちゃくちゃ売れててシリーズで何冊も出ているんです。もともとはお料理ブログから人気に火が付いたっぽいですよ。
ま、私は持ってないんですけど。
だって『syunkon』・・・って何?旬な新婚さん?(いやそれも何?って思うけども)
しかも『カフェごはん』・・・スムージー、マカロンと並んでうちの男どもが「出た~~~!女の好きなヤツ!」とか言ってバカにしつつ敬遠するやつです。夫はキッシュのことを必ずわざと「キッチュ」って言います。それ松尾貴志!
というわけで、うちでは『syunkon』も『カフェごはん』も受け入れられる要素が無いわ、と思って、料理本の方は遠く眺めているだけでした。

そんな著者の本をなぜ読んだかっていうと、山本ゆりさんと『syunkonカフェごはん』の繋がりに全然気づいてなくて、たまたま図書館でみつけて借りたからです。

でもこれが抱腹絶倒の面白さだったんです。
読みながら何度も吹き出す本って、カマタミワさんのエッセイマンガ以来です。
エッセイの内容も多岐にわたっていて、例えば『食べ物を口に入れ続けるスイッチがあることについて』『ストッキングが破れやすい件』『化粧の面倒くささ』などは、タイトルで内容をご想像いただけるかと思うのですがもう共感の嵐。
気の置けない友人たちとの超くだらない会話のログや、『勘違いシリーズ』(鶏ごぼうをフランス語だと思っていた⇒フォンドヴォー≒トリゴヴォー 等)も、とてもスターバックスでコーヒー飲みながらは読めません。
でもそんな感じでありながら、本の後半では、文章のくだけた感じはそのままに『自分ばっかり損していると思うときに』『チクリと刺す言葉』『どうしようもない孤独・不安について』など真面目なエッセイも。
さらに各エッセイの内容にちなんだ簡単なレシピまで紹介されていてお得感満載の一冊でした。これだけいろいろ詰まって千円だし、買って損なしですよ。私は借りたけど。
レシピは本当にお手軽なモノばかりで、これなら『syunkonカフェごはん』も期待していいのかも?と思ったくらいです。今度図書館で借りてみます。(気に入ったら買います)

ちなみに『syunkon』は旬な新婚さんじゃなくて『春魂』が元らしいです。
『春魂』が何なのかまではよくわかりません。


以上、『スターバックスで普通のコーヒーを頼む人を尊敬する件』についてでした。

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by vitablommor | 2018-04-09 10:06 | 本・CD・DVD | Comments(2)