ザ・ディズニー映画

ええ~?!くまのプーさん実写ぁ?!って、テレビで予告を観た時思ったのですが、その予告がなんだかとても感じ良かったので、これは観に行こうと思っていたのでした。
公開から随分日が経ってしまったけど、なんとか間に合いました。
『プーと大人になった僕』
洋画は字幕派なのですが、今回は上映時間の都合で吹替えで観ました。ユアン・マクレガーの声を堺雅人さんが演っていて、あの顔が脳裏にチラつかないようにある種の集中力を要しました。有名な俳優さんの吹き替えは、たまにこういうことがあるのでちょっと困ります。
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ユアン・マクレガー、いい感じにくたびれた大人をやってて良かったですよ。
プーさんと仲間たちも、これまたいい感じにくたびれたぬいぐるみで、ディズニーアニメよりも原作本の挿絵のイメージに近くてすごく良かった。で、ぬいぐるみなのにちゃんと表情があるんですよ。

テーマとしてはディズニー映画(に限らずアメリカ映画ではよくあるかな?)でよく見られる『仕事に忙殺されていた大人が、人生で本当に大切なのは何かを見つける』といったものなのですが、これを「ああ、よくあるやつね」って思わせない上手さがありました。
プーと仲間たちが暮らす『100エーカーの森』の風景がもう本当に素晴らしくて、その中で、仕事仕事でイライラしてばかりだったクリストファー・ロビンがだんだん子供時代の心を取り戻していく様子に、観ているこちらの心も浄化されるようでした。
クリストファーの忘れ物を届けるために、プーたちがロンドンを冒険するところも可愛かった。

上映期間ももう終盤だと思いますが、もしこれから観に行かれる方はエンドロールまで観てくださいね。そこにもお楽しみがありますから!

ディズニー映画って、きっと丁寧に楽しんで作られているんだなあって、改めて思いました。




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# by vitablommor | 2018-10-28 08:30 | 映画 | Comments(0)

放課後のオレンジ

理由は何だったのか、あまりに昔でもう忘れてしまったけれど、私はその日、クラスの大半(全員?)と一緒に放課後の教室に居残りさせられて、先生からくどくどと説教されていたのだった。
説教されていたはいたのだけれど、私も含め、多分誰も反省などしてなかったと記憶している。
「は~、早く終われ~」としか思っていなかった。下を向いて黙って座っていた。

ふいに左頬に温かく強い光を感じて、思わずそちらへ目を上げると、窓の外では大きな夕陽が、今まさに海に沈むところだった。
教室の壁を床を天井を、濃いオレンジが一気に染め上げていった。
誰かが(私か?)「わぁっ」と声を上げ、みな一斉に窓の外を見た。
廊下側の席の子たちは立ち上がって見ていた。
凄い勢いで、すぅーーーっと海に消えていく夕陽。
その最後の一片が消えた時、教室内は「おおーっ!」というどよめきとともに大拍手に包まれた。
夕陽に大拍手。
そんなにまとまりのあるクラスではなかったのに(笑)あの瞬間だけ、私たちはひとつになった(笑)。

あ、と思い出して教壇を見ると、先生は苦笑していた。
その後、説教の続きがあったとは記憶していない。

高1の冬の記憶である。

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大学院生で中学美術教師の『イトウ先生』ことイトウハジメさんの3冊目の本、『放課後のオレンジ』がとてもよかったです。

人生ってそうそう強烈なドラマチックな体験ばかりがあるわけではなくて(人によっては違うかもしれないけど)、なんでもないような日々の断片が、小さく輝きながらその人を、その人の記憶を、作っていくのだと思う。
そういう、「キラキラ」というより「チカチカ」と、ささやかに小さく光る、何でもなくて愛おしい瞬間のカケラが、ページをめくるたびにそこにあって、読みながら何度もジーンとしました。

こんなに温かい目で先生に見守られながら中学生活を送れたら幸せだろうな~。

中学生だった記憶を持つ人すべてのたちに、おすすめの一冊です。


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# by vitablommor | 2018-10-24 15:03 | 映画 | Comments(16)

映画館での残念体験

今回、愚痴記事です。
興味ない方はスルーでお願いします。


先日、富士宮のイオンシネマに初めて行ってきました。
前のシートとの間隔が広々していて快適。素敵な映画館でした。

前の記事でも書いた『日日是好日』を観るために行ったのですが、私たち以外の観客は見た感じオーバー60くらいの女性が9割、そのお連れと思われる男性が1割弱と言う感じでした。
作品が茶道をテーマにしているということで、茶道経験者の方が多かったようです。
というのも、私にはわからない『笑いどころ』があったようで、最初の方のお茶のシーンでなんか他のお客さんが笑っていたので。

ああ、それじゃあ「そういう目」でみなさんご覧になるんだろうなあと、その時点で薄々嫌な予感はしていたのですが。
役者さんのお点前の所作がアップになるたびに終始「ぐふん」という感じで鼻を鳴らす人がいて、ホントにうるさかったです。

映画(フィクション)なので、その作品のために集中的に特訓して演じられた役者さんのお点前の所作は、ベテランさんから見たらちょっと違うわ出来てないわと思う部分はもちろんあるのかもしれませんが、もうそれは織り込み済みで観て欲しい。
どうしても気になるのもわかります。私も役者さんが変な九州弁喋ってるドラマとかむずむずするので。でもさ、家のテレビで家族と観てるんだったら「やだ、あれ変だよね」とか茶々入れるのもありだけどさ、映画館で他人と観ている時はそのむずむずは自分の中だけに収めておきましょうよ。いかにも「私はわかっているけど、あれはちょっとね」みたいな自己主張を、わざわざ映画館でする必要がありますか?

他にも上映中に何度も長々とぼそぼそ話をしている男性客もいて、いろいろ余計なことが気になって映画に集中できず、なんか残念な感じになりました。(真後ろの人なら注意もするけど、結構離れた席だったのでそれもできず><)


最近「無音盆踊り」って話題になったじゃないですか?近隣住民から盆踊りの太鼓や曲の音に対してうるさいって苦情がくるので、参加者各人がイヤホンして踊るっていう(なので参加者には音は聞こえているけど、傍から見てたら無音でみんなが踊っているように見える)。あれにはちょっと笑っちゃったし、盆踊りの音くらい、年に1回、ほんの2時間程度なのに許容できないものかね?と昨今の不寛容な社会に対して疑問を持ってしまいましたが、今回の残念体験を経て、全員がスクリーンを観ながら音声は各自のヘッドホンで聞く「無音映画館」はいいかもな~って思っちゃいました。コミュニケーション不全な不寛容社会はこうして広がっていく???

そういう文句言うなら家で一人でDVDで観ろ、って思った人、待って待って、映画館で喋ったり不必要に音を立てたりする公共マナーを守らない側に自由があって、守ってる側にないっておかしいからね!


という、愚痴記事でした。
おつきあいいただき、ありがとうございました。

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# by vitablommor | 2018-10-19 10:23 | ひとりごと・日常 | Comments(8)

日々是好日

樹木希林さんと黒木華さん、好きな女優さんの共演作で、「これ絶対観よう。」と決めていた映画『日々是好日』
希林さんの遺作ともなった映画なので、さぞかし沢山の映画館で掛かるだろうと思っていたのに、うちの近所の映画館では今月も来月も上映予定にない!
今月中に観たいと思ったら、西の方か東の方に1時間かけて出かけていくしかないらしい。田舎って悲しーい・・・(泣)


仕方がないので(というのは失礼だけど)ひとまず原作本を買いました。

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

森下 典子/新潮社

そしたらこれがすごく良くて…!!!読んでよかった。

エッセイと言うか、私小説?大学生の時にお母さんに勧められて、いとこと一緒に近所の「武田のおばさん」にお茶を習いに行くことになった典子さん。
最初はお茶の細かな作法や決まりきった形式に戸惑い、反発を感じながら。勉強や就職活動に追われる日には「こんな忙しいときにのんきにお点前なんてしてる場合じゃないのに」と苛立ちながら。後から入ってきた若い人の才能に焦り、自分にはお茶なんて向いていなかったのではと自信をなくしながら。行きたくないな~と思う日々も。もうやめようと決めた日も。
それでも20数年お茶を続けて、その中で見えてきたもの。

私は茶道を習ったことはないし(そういえば若いころは憧れたー)、これからも習う予定はありませんが、「お茶」っていいな、って思いました。
いや、「お茶」それ自体がどうこうというよりも、それを通して作者が掴んだもの。
季節や空気の匂いに敏感になることや、美しい所作や立ち居振る舞い、もてなしの心、成長を待つということ、そして何より「今、ここ」に100%いる、というあり方が、すごくいいな、と。

茶道をなさっている方ならば、より深い理解と共感が得られると思いますが、私のようにお茶なんてペットボトルばっかり飲んでいるような者にもとても響くものがありましたので、同輩の皆様にもお勧めです。

これ、多分とても静かで地味なんだろうけど、心に沁みるいい映画になったんだろうな~。
黒木華ちゃんの典子さんと樹木希林さんの武田先生、ますます観たくなりました。


今日からせめて姿勢だけでもピッとして生活しよう。



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# by vitablommor | 2018-10-11 08:41 | 本・CD・DVD | Comments(4)

人生相談

ふと思ったんですが、よく言う仕事の「ホウ・レン・ソウ」ってあれ、報告・連絡・相談ってやつ。
あれの報告と連絡ってわける必要ありますかね?報告でまとめちゃってよくない?
なんか「ほうれん草」にしたくて無理やり「レン」ぶちこんでない???

ということを洗濯物を干しながら今朝思いました。


お悩み相談本をね、最近読んだんですわ。

悩み相談本って、実は私、結構好きかも知れないです。
思い返せば朝日新聞(だったか?)に連載されていた『中島らもの明るい悩み相談室』が好きでした。
ジェーン・スー『相談は踊る』も、雨宮まみ『まじめに生きるって損ですか?』も、吉本ばなな『人生って?』も、全部好きで所蔵しています。どれもとてもいいんです。
私自身は誰かに悩み相談をすることはあまりないし、お悩み相談の回答を私自身の何かに役立てようと思っているわけではないのですが、なぜかついつい読んでしまうんですよね。新聞、雑誌の相談コーナーなんかもそういえばよく読みます。
お悩み相談ものって、回答者の世界観人生観とか人生経験とか、器の大きさ懐の深さとか、あと自分をどれほど偉いと思ってるかとか、いろんなものが否応なしに透けて見えてしまうので、そこが面白いのかもしれません。

そういう意味では以前こちらで紹介した『子供はなぜ勉強しなくちゃいけないの?』って本は、思い返せば興味深かった。
回答者は著名ないわゆる有識者の方ばかりなんですが、回答内容を読むと「うわ~、つまんねー!」ってものも実はあって。
まあこの質問自体がもう使い古され感があって難しかったのかもしれないし、一つのことであまり判断してもいけないかもしれないけど、やっぱりそこでつまらない回答を出す人のことは、ああこの人つまらない人だなって思ってしまいました。偉そうだけど。

私は普段からぼーっと生きているし、人生経験も(年数の割に)少ないし、人生の振り幅も感情の振り幅も大きい方じゃないので、色んな人生経験をしてきて、悩んだり傷ついたりしながら沢山色んなことを考えて生きてきた人の、私なんかには思いもつかない角度からのものごとの見方にハッとしたり、「おお!」と呻ったりしたいのです。そうして今までなかった視座を身につけたいわけです。多分。これは悩み相談本だけじゃなくて、読書全体に期待することでもあるのだけれど。

そうしたわけなので、昼は普通の営業係長、夜はオカマ(女装ではない)として、私とはまるで違う世界に生きているBSディムさんの回答はいかに?と期待して読みましたが、意外にも?回答はどれもまともなものばかりでした。
まえがきに「オカマは異性愛者にはない人生経験を積んでいて、男女両方の気持ちを理解してくれて、ウィットに富んだ返しと豪快な毒舌で溜飲をさげてくれる……そんなイメージから、オカマに相談を持ちかけたいという相談は後を絶たない」けど、「多くの人間が凡人であるように、多くのオカマもまた、凡人なのよ」とありました。
オカマさんだからさぞかし…という私の期待は、ある種のLGBT差別だったかも…と気づかされました。すみません。
あと、この本はサブタイトルで「オトナのためのお悩み相談」とありますが、大人よりもむしろ10代20代の若い人に沁みるんじゃないかと思います。
相談者もそのくらいの人が多いし、「友達のSNSでの幸せアピールに腹が立つ」とか、大人にはもうどうでもいいでしょう?
BSディムさんももう30代の大人の方なのですが、こういう若い悩みに親身に答えていらして、多分心根の優しいいい方なんだなあと、そこはすごく伝わってきました。



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# by vitablommor | 2018-10-09 10:29 | 本・CD・DVD | Comments(2)