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2019年 05月 28日 ( 1 )

読了

かがみの孤城

辻村 深月/ポプラ社


ははは。読了してしまいました。
他にやらなきゃいけないこと、後回しになってしまいました。
昼食の時に、最初の方だけ・・・とぱらっとめくったらいつの間にか残り50ページくらいになっていたので、もう一気に読んでしまいました。面白かったです。2018本屋大賞。

主人公の部屋にあった鏡が、ある日キラキラと光り出して、ふと手をかざしたら鏡を通り抜けて向こう側の世界に行ってしまう。
鏡の国のアリスのようなこんなファンタジーは、物語の土台となる最初の仕掛け部分の嘘くささを消すのが難しいよなあと思います。この本でもそこの部分がちょっと、大人になって世間ずれした私(笑)には、ハードル高かった。
ナルニア国やアリスなら、時代も国も違うのであまり違和感なく入れるんですけどね、現代の日本の話と思うとなぜかちょっと違和感を感じてしまいますねー。日常の中のファンタジーって難しい。

でも、慣れてしまえばそこはそれほど気にならなくなりました。鏡の中の世界に隠された仕掛けも途中からなんとなくわかっちゃうんだけれど(何しろ世間ずれした大人だから)、それ以外の部分に興味がどんどん惹きつけられていくので、そこは問題としないで読めました。
こころ、アキ、マサムネ、スバル、フウカ、リオン、ウレシノ。7人の少年少女それぞれの傷やどうしようもない事情を、どう癒していくのか、どう解決していくのか、そこの部分に嘘っぽさは感じなかった。伏線の回収も、後日談的なラストも見事だと思いました。

鏡の中の世界に『招待』された7人は、中学に通えなくなった(ほとんどが人間関係による心理的な理由で)子供たち。
私はこの物語に大人になってから出会ったけれど、主人公たちと近い年代で同じように学校での人間関係にいきづまっている子供が読んだらどんなふうに思うんだろうなあ、とつい考えてしまいました。
私だったら辛いって思うだろうな。どうして私はその世界に行けないんだろう、私には救いの手が差し伸べられないって思うだろうな~。
とはいえ。
それでも、もしかしたら、この物語は子どもたちの救いの物語にもなり得るのかもしれない。

ずっと中学生でいるわけじゃない。生きて大人になったら、世界はもっと広がるし、出会える人のバリエーションも増える。「普通」の範疇も、ずーっとずーっと広くなる。そして今でも、自分の気持ちを言葉にして伝えることが出来たら、助けの手は案外近くにあるかもしれない。そんなことに、気づく子どももいるかもしれません。
そうあってほしいと思います。

それにしても子どもの世界の残酷さと未熟さは、基本的にいつの時代も変わらないものですね。
みんな頑張れ。






by vitablommor | 2019-05-28 07:20 | 本・CD・DVD | Comments(10)

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