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きたれ、バウハウス


きたれ、と言われたので、行きたくなって行ってきました。
ベランダから溢れそうな学生たちのなんと楽しそうなこと!この写真大好きです。
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バウハウス、ご存じでしょうか?
私もここ数年で知ったので、ご存じない方もいらっしゃるかと思います。
1919年、ドイツ(当時のワイマール共和国)に開校した芸術・工芸系の学校、と言えばいいかな?それがバウハウス。
第一線で活躍する芸術家や建築家たちが教師となって、才能ある学生たちを次々育て、その後の家具やグラフィックなどのデザインに大きな影響を与える名作たちを産んだことで有名です。
画家のパウル・クレーも、バウハウスの教師として教鞭をふるっていたんですって。これは私も今回の展示で初めて知りました。

少し見えにくいかもしれませんが、パイプを使ったこちらの椅子も、バウハウスのマルセル・ブロイヤーのデザイン。この形、見たことある方も多いのでは?
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そんなバウハウスの創立100年を記念した展示会が静岡県立美術館で開催中。コロナの影響で開催中止になるのでは?と心配しましたが(実際前半は休館だったのかも?)、なんとか開催できたようで。見ることができてよかった!
バウハウスへの『体験入学』をコンセプトとした展示だということで、楽しみにしていたのですが、いろいろな体験型の展示(授業で使われた『触覚板』など)は、コロナの影響で見るだけで触れず、少し残念でした。

とはいえ、展示全体は本当に面白かったです。
私はタイポグラフィや活版印刷の部分が特に興味を惹かれましたが、家具、家電のデザイン、織物、写真、舞台芸術、そしてもちろん建築など、多岐にわたるジャンルの展示それぞれが本当に見ごたえありました。
当時のバウハウス生のノートから見えてくる授業内容もとても面白そうで、体験入学してみたかったです(実際に入学したら絶対授業についていけない自信がある)。


素晴らしい才能を次々生み出したバウハウスですが、ナチスの圧政のために1933年に閉校してしまいました。

先ほどバウハウスはワイマール共和国で開校した、と書きましたが、ワイマール、と聞いて多分思い出すのが『ワイマール憲法』ではないでしょうか?

1919年、帝政ドイツ崩壊⇒ワイマール共和国の誕生に伴い制定されたワイマール憲法は、国民主権、議会制民主主義、男女平等など、当時世界で最も民主的な憲法と言われ、各国の憲法のお手本にもなった、と、社会科で習いましたよね。

そんな自由で民主的な憲法を持った国が、なんでナチスの独裁政権になってしまったのか、と言ったら、この憲法にあった『緊急命令発布権』すなわち国家の危機下では国家元首の権限を拡大し、人身や意見表明の自由、集会・結社の自由などの国民の権利を一時的に停止することが可能になるという条項を、ナチス政権が独裁横行のために使ったからということなんです。

数年前、麻生大臣が憲法改正の話に触れて「ワイマール憲法が、いつの間にかナチス憲法に変わっていた、あの手法を見習ったらどうかね」と発言したことを私は蛇のような執念深さでずっと憶えておりますが(あとから撤回したってなかったことにはならないですからね)、あれはこういうこと。
なので、そんな発想を持った同じ内閣で(内閣改造とかされててもただのマイチェンなので同じ内閣と言いました)今回のコロナで特別措置法って話になった時にはかなり緊張しました。
実際、今でも油断ならないと思っています。
コロナを恐れるあまり、今後、要請というレベルではなくもっと強制力を持った法律に、なんて話になることも考えられますが、そんなことを安易に許してはいけないと思っています。
国民の権利や自由を政府が制限できる、ってことがどんなにヤバいか、ナチスの例を見れば明らかですよね。
独裁政権、案外あっという間に誕生するときはするのです。油断してはいけません。私は自由がいい。権利は誰にも侵害されたくない。

そんなことまで考える予定じゃなかったのですが、展示してあったバウハウスの歩み(閉校後の教師たちのその後まで含めた)の年表を見ていたら、やっぱりこのことを考えざるを得ませんでした。

やっぱり若い人たちが、自由闊達に、新しいものをどんどん作っていくような、そんな世界がいいよ、きっと。
そう思いませんか?
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by vitablommor | 2020-05-26 09:45 | Comments(0)

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