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2017年本屋大賞をようやく読む

蜜蜂と遠雷

恩田 陸/幻冬舎


2017年の本屋大賞と直木賞をダブル受賞したことで大いに話題になった『蜜蜂と遠雷』
恩田陸さんは『夜のピクニック』がすごくよかったので、これも面白いんだろうな~と気になりつついたところ、2018年のお正月に、近所に住む本好きの友人と本屋で偶然出会い「今買ったところだから、貸すから待ってて」と言ってもらい、2019年の3月にしばらくぶりに会って貸してもらえたので、2年越しでようやく読みました。

借りる時に「面白かった?」と聞いたら「面白かったんだけど・・・」とちょっと首をひねって
「私、『のだめ(カンタービレ)』が好きだからさ~、のだめと比べたらあっちの方がよかったって思っちゃった」と。
私も『のだめカンタービレ』はドハマりしたので、「そうなのかーーー」と少々構えながら読みましたが、いや、なんのなんの。これはこれで大変面白かったです。2段組のぶ厚い本ですが、読み飽きることなく最後まで一気に読めました。
でもまあ、友人が『のだめ』を思い出すと言うのも肯けるというか、小説版『のだめ』オマージュっぽいというか、読んでいると登場人物のキャラクターが二宮知子さんの絵柄で浮かんできました。しかしそれはそれで、脳内で漫画変換まで楽しめてダブルでお得な気もする。

私はクラシック音楽の世界とはとんと無縁なのですが、音楽を知っている人ならもっと楽しめたのかもしれない。長い期間かけて行われるピアノコンクールの雰囲気を、そんなもの全く知らない素人の私も満喫しました。
面白かったです。

でも、私がもし本屋大賞の投票権をもっていたなら、この作品よりもむしろ『みかづき』に一票入れたかな?と思います。
図書館で借りました。

みかづき (集英社文庫)

森 絵都/集英社


昭和30年代から平成まで、『塾』の経営者夫婦とその子ども、そして孫。『教育』をとりまく家族の、3代にわたっての壮大な(と言ってしまっていいかしら?)物語。
丸一日をこの本を読む以外に何もしないで費やし、物語の中の時代を駆け抜けました。そんなつもりじゃなかったのですが、うっかりしてたら夕方になっていた。それだけ吸引力の強い本でした。

塾を取り巻く環境の変化ってこんなにも劇的なものだったんだー、とびっくり。
と同時に、時代は変わっても、学校であれ塾であれ、本来、子どもに「考える力」と「伝える力」、つまりは『生きるための基礎となる力』を与える(力を伸ばす)というのが教育の主眼なんだよな~。ここ間違えちゃいけないとこだよな~ってしみじみ。
そして、昔も今も、親の経済状況と子どもの教育環境が密接に関係してしまっているのは変わらない。現代の日本においてさえ、貧困家庭で十分な教育が受けられない子どもが実は相当数いるという現状を、国はなんで放置しているのか?という疑問に対する残酷な答えも、この本の中にありました。うぬぬ。。。
途中、文部省(今の文部科学省)の方針についてなど、結構小難しい話も出てくるのですが、まあその辺は面倒なら読み飛ばしても大丈夫です(私はさらっと読み飛ばしました)。
読み応えのある一冊でした。NHKのドラマも見ておけばよかったな~。

今更ですが2017年の本屋大賞、『蜜蜂と遠雷』『みかづき』が1位2位で3位に『罪の声』だったんですね!
9位には『コンビニ人間』も入ってた。これは、この年の本屋大賞の投票権を持ってたらすごく悩むところだわ~~~。
2年も前の話の上に投票権持ってないけどね。


実はこの後に、2018年本屋大賞1位の『かがみの孤城』が控えております(ブックオフにて購入済み)。
でもこの本もまた分厚いの。なんでこう、本屋大賞作品は分厚いのか?わかる気はするけども。
早く読みたい気もするのですが、他にやらないといけないこともあるので(読み始めるとつい後回しになる)なかなか手を付けられないでいます。借りている本なら期限もあるのでちゃんと読むのですが、蔵書となると安心して放置しちゃいますよね。
多分面白いのは間違いないだろうと。そこのところも安心して放置する一因です。
そういえばずーーーーっと前(30年くらい前?)に映画にもなった『羊たちの沈黙』(映画は観てない)。当時から気になりつつ読まないままだったものをこの間ようやく読みましたが、ちゃんと面白かったです。面白い本はやっぱりいつ読んでも大丈夫だなあ。




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by vitablommor | 2019-05-27 09:59 | 本・CD・DVD | Comments(0)

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