<< キャスケット2種 秋の帽子はじめました >>

今更ながらの『コンビニ人間』

コンビニでバイトしている芥川賞作家、として有名な村田沙耶香さんの新作『地球星人』の紹介を、この間、テレビ番組でやっていました。
とても面白そうだったのですが、その本のあおりとして『コンビニ人間をはるかに超える衝撃作』などと言われていたので、それではまず芥川賞受賞作でもある『コンビニ人間』の方を先に読んでみようということで、今更ながら読みました。

コンビニ人間

村田 沙耶香/文藝春秋


幼少期から世の中に全く馴染めず、どういう風にふるまえば「普通」なのかがわからないまま行きてきた主人公の女性が、完璧なマニュアルに沿ってさえいれば大丈夫なコンビニ店員という職を得ることで、一時期ラクに生きられる場所を得るのだけれど、30過ぎて就職も結婚も一度もしたことのないままコンビニで18年間ずっとアルバイト生活、という彼女を、まわりの人たちは放っておいてくれず、周囲の人の目を誤魔化す目的もあって男性と同居(ヒモ飼い)を始めたものの。。。


村田沙耶香さんと言えば私の中ではコミック『おあとがよろしいようで』(オカヤイヅミ著)で、「いつか人肉を食べるつもり」とのほほんとお話されていた「クレイジー沙耶香」(実際作家仲間の間でそういう異名がついているらしい)のイメージが強く、一体どんなとんでもないお話なのかと思って読んでみたのですが、思うほどクレイジーな話ではなかったです。

言ってみれば『生き辛さを抱えていた主人公が、周りに流されそうになったり自分を見失いそうになりながらも自己を確立する話』です。すごく真っ当な話です。でも面白かった。

主人公はすごく論理的で頭がいい女性だし、彼女の考え方は一般的な日本人とは確かにずれているんだけれどきちんと整合性があり、責任感もあれば家族に対する思いやりもあるし、私、彼女が「普通」の仮面をかぶっていなくても友達になれそうな気がします。
主人公と同居することになる男性は結構とんでもなく嫌な奴(自分は仕事できないくせに周りの人を見下していたり、変な理屈ばっかりこねるんだけどその論理は破たんしてるし、責任感ゼロの依存体質で、一言で言ってとことんクズ)なのですが、「あー、こういう奴いるいる!」って、多分だれでも思っちゃうようなリアリティのあるキャラクターで、そこがまた面白かったです。

村田沙耶香さんの作品、好きかもしれない。
『地球星人』も読んでみたいと思います。なんか「読後感最悪」って声も聞くので、読む前にちょっと覚悟がいるけどね。


ちなみに村田さん、もうコンビニのアルバイトは辞めて小説に専念されていると言うことでした。




[PR]
by vitablommor | 2018-09-12 14:13 | 本・CD・DVD | Comments(0)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< キャスケット2種 秋の帽子はじめました >>