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二択ではない

思えば妊娠して初めて母子手帳を見た時に、出生時のデータを書くページに身長や体重とならんで性別欄があって、その選択肢が『男・女・不明』となっているのを見て、「不明なんてことがあるのか~」って、なんとなく思ったことがあったんです。
もっと遡れば中学の時、新井素子の『二分割幽霊綺譚』という本を読んで、『半陰陽』っていう言葉と、そういう人が稀にいるんだということも知ってたはずなんです。
だけどそういうのって、どこかフィクションっぽく(実際新井素子さんの本はフィクションだし)て、そういう人のことをリアルに想像したことはなかった。


毎日新聞での連載をまとめたこの本を読んで、初めてそういう人たちの存在がリアルに感じられるようになりました。

境界を生きる 性と生のはざまで

毎日新聞「境界を生きる」取材班/毎日新聞社


外見的には男(あるいは女)で生まれてきたけれども染色体(女性:XX、男性:XY)的には逆だっり、外性器をみても男女の区別がつかない、卵巣と精巣の両方があるなど、男女どちらでもない人というのが稀にいらっしゃるようです。
そんな風に性別未分化で生まれてきた子どもを「どちらの性別にしますか?」と医師から選択を迫られて悩み苦しみ、選択した後もこれで本当によかったのかと苦しむ両親の話が冒頭にありました。また、成長するうちに「自分が周りと違う」ことに気づき、苦しみ、死にたいとまで思い詰める子供たちの話も。
胸が締め付けらるような思いで読みました。


当事者の苦しみは当事者にしか絶対にわからないものだと思いますし、中途半端な知識が却って苦しんでいる当事者を傷つけることになることがあるのも知っているつもりですが、やはり無知は罪なんじゃないかという気がします。

世の中、男と女しかいない、ってわけじゃないってこと。
だけど圧倒的マイノリティである人たちは、そういうことを言うこともできずに苦しんでいることもあるってこと。
心に留めておきたいと思いました。


性分化疾患の話だけでなく、昨今話題になることが多いLGBTの人たちの話も載っています。
LGBTに代表されるいわゆる性的マイノリティの人口は、調査方法によって異なりますが一説には日本人全体の7.6%。左利きの人やAB型の人と同じ割合でいるのだそうです。これが本当ならクラスに2人くらいはいるってことになります。私は今までの人生でカミングアウトしているLGBTの人には会ったことがありませんが、実は言ってないってだけで、性的マイノリティの人は意外に身近にいるのかもしれません。
左利きの人になら何人もあったことあるもんなあ・・・。
左利きの人が右利き用の鋏が使いにくいって話を聞いて「あ~、そうかー!気が付かなかったわ。それは不便だね」って言うような感覚で、LGBTの人の話も(たとえばトランスジェンダーの人がトイレどっちに入るか問題とか)「あ~、そうか。それは困るね」とかって普通に言えるような感覚になっていけばいいのにねって思います。


話は逸れましたが、丁寧な取材がされたいい本でした。ご一読をおすすめいたします。


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by vitablommor | 2018-06-07 10:35 | 本・CD・DVD | Comments(0)
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