雪花の虎
2018年 01月 22日
『〇〇は実は女だった』系の話って昔から結構ありますよね。『女信長』ものは多いですし、大分昔ですが『マドモワゼル・モーツアルト』というマンガもあったし、新選組の沖田が女という設定の舞台もあった。
マンガの設定としてだけじゃなくて、実際に「あの歴史上の人物は実は女性だったのでは?」という『実は女性説』がある歴史上の人物と言うのもあるようでー
これはその、上杉謙信女性説を基にした歴史漫画です。これ一押しです!
東村アキコさんと言えば、『海月姫』が映画に続いてドラマ化されていて話題ですね。その前には『東京タラレバ娘』も『主に泣いています』もドラマ化されました。(いずれも観ていませんが)
でも、これらのドラマ化された漫画たちよりも、『かくかくしかじか』や、この『雪花の虎』のような、ドラマ化されないであろうお話(というかドラマ化されないでほしい)の方が、東村さん本来の絵の美しさや漫画家としての力量がより発揮されているような気がします。なにしろ丁寧に描かれています。
私は歴史には本当に疎くて、誰と誰が同時代の人かもよくわからない状態なのですが、そんな歴史音痴でも、このマンガは楽しめました。
歴史物が苦手な方は(私も含め)、込み入った説明的シーンになるとどうしてもめんどくさくて読む気がしなくなって挫折・・・というパターンになりがちかと思いますが、このマンガではそんな読者のために、小難しい歴史話の段になるとページの下半分が『アキコのティータイム』というワープゾーンに。
真面目で難しいページ上部分を読まなくても、ワープゾーンでその内容をゆる~くざっくり説明してもらいつつ、無理なくストーリーに戻っていけるという親切設計になっています(1巻2巻くらいまではちょいちょいでてきますが、その後は少なくなっていってます)
作者の東村さんが、上杉謙信について調べれば調べるほど「ぶっちゃけめっちゃかっこいいよな、この人の人生って」「めっちゃくちゃ めっちゃくちゃかっこいいよな」と惚れ込んだという謙信の魅力が、主人公「虎」のキャラクターにしっかり投影されています。キレイで聡明でめっちゃくちゃかっこいい!
姫武将として育てられ、時に女性であることに苦悩し、望まない家督争いに巻き込まれながら、愛する家族や越後の国を守るために最善の決断をして進んで行く虎の生きざまに惹きつけられます。
現在5巻まで刊行中。
おすすめ。ぜひ。
by vitablommor
| 2018-01-22 10:48
| 本・CD・DVD
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