8月15日
2016年 08月 15日
お盆を7月にやるところと8月にやるところがあるというのを知ったのは、静岡に来てからでした。
それまでは全国的に8月だと思っていました。
だから私にとってはお盆は今ごろ。
夏休みとはいっても、お盆の今の時期は『地獄の釜の蓋が開く』から海に行ってはいけないのです。
海が近い地域柄もあってか、そのことは小さいころからキツく言い聞かされていました。今でもお盆の時期に海に行く気にはなれません。
7月お盆の地域ではこの『地獄の釜の蓋』問題はどうなっているのでしょう?ふと疑問を感じてしまいました。
確か新聞の書評記事で褒めてあって、amazonでも高評価だったので買ってみました。
お盆にあの世から帰ってきているお精霊さんが見える能力をもった15歳の少女、秋が、何度目覚めても同じ8月15日を繰り返す世界の歪みに遭遇する話。
何度も8月15日を繰り返すうちに、だんだんとお精霊さんの力が強くなっていき、生きている人間との境目があやふやになっていきます。
実際そんなことになったら怖いだろうなあというシチュエーションですが、ほのぼのとした絵柄のせいか、意外に淡々と物語は進みます。
私的には新聞やamazonのレビューほどでは・・・という感じでしたが、この時期に特有の空気感が詰まっていて、その感じは心地よいです。
頭ではなく感覚で読むのがいい作品なのだろうなと思います。
さて、そろそろ送り火の準備をするころですが、今日は終戦記念日でもありますね。
そういえば今年はテレビで『火垂るの墓』やらないのね。。。戦争の悲惨さを伝えるのは不都合と考える人が、権力をちらつかせて睨んでくる時代だということかしら?くわばらくわばら。
先日本屋さんでみかけた『火垂るの墓』文庫本の帯に「清太は私ではない。私はあんなに優しくはなかった。もっとやさしくしてやればよかった」と、原作者の野坂昭如さんの言葉が書いてあって、本屋の棚の前でちょっと泣きそうになってしまいました。
戦争によって家を奪われ家族を奪われ自身の命さえ奪われた人が、どれだけ沢山いたことか。今もどれだけ多くの人が、それによって苦しんでいることか。私の想像の及ぶところではありませんが、想像してみることをやめてはいけないとも思います。
by vitablommor
| 2016-08-15 09:55
| 本・CD・DVD
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