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読書 覚え書き2

前記事の続きです。この夏の読書記録

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

朝井 リョウ/集英社

「どうやら最後まで「桐島」は出てこないらしいよ」という話だけ聞いて、話題になってから何年も読まずにいました。
映画にもなった?ベストセラー小説。
高校生の頃の感性がもう遠くなっているせいか、小説中の彼ら彼女らの感覚は今の私にしっくりくるものではなかったのだけど、現役高校生やごく最近まで高校生だったような若い人には等身大の感覚としてグッとくるものがあるのかも。

それにしても、所謂「スクールカースト」ってのは、いつごろからこんな風に顕在化したのだろうかね?
我々の頃もそれなりに、クラスの中心で目立っている人たちと隅っこで地味にしている人たちっていうのはあったと思うんだけど、そして私は地味っこ側だったと自覚しているけれど、この本の中に出てくる子たちみたいに、自分(の地位)はクラスで「下」の方だ、とか「上」の方だとか、考えたりはしなかったな(まあ私は鈍感だから気づかなかっただけ、という可能性はあるけど)。

9月1日は子供の自殺が特に多くなる日だと、最近新聞やテレビで騒がれていたけど、学校生活がこんな感じの閉塞感に満ちた場所なのだとしたら、学校以外の世界を持ってないとキツイだろうな。それが現代の子どもにとってはネットの世界だったりするのかな?
出来たら生身の人間で、親や先生以外の大人で、ちょっと世間の中心からずれていて、ものごとを横から斜めから見ているような、そんな人との出会いがあれば、もっとラクになれる気がするんですけどね。


そう、それはたとえばこんな感じの人でもいいかもしれない。

小川洋子の偏愛短篇箱 (河出文庫)

小川 洋子(編集)/河出書房新社

子どもの頃、切手やシール、チロリアンテープや王冠など周期的に訪れる蒐集ブームの中、どの流行にも乗らず、ひっそりと「切った爪」と「かさぶた」をコレクションしていたという小川洋子さんは、間違いなくクイーンオブマイノリティ。
そんな小川さんが、爪やかさぶたと同じくらいの偏愛熱を持って大事に納めた短編作品の小箱がこちらの本。

私は『博士の愛した数式』で小川さんを知ったのですが、その後ほかの作品を読めば読むほど、最初に抱いたイメージがどんどん遠くなります。いや、でも『博士の・・』の中にも確かにその片鱗はあったのだと、ふり返ってみるとわかるのですが。

この本を貸してくださった方に、「妖しくて儚くて、この世のものではないような」コサージュを作ってほしいと以前言われて目が点になったことがあったのですが、小川洋子さんの世界がまさにそんな感じかもしれないと、小川作品の原点とも言えるであろうこの作品群を読んで思いました。

そんな小川さんの世界観にどっぷり浸れるこちら

沈黙博物館

小川 洋子/筑摩書房

安倍公房の『砂の女』ってあるでしょう?あの作品を思い出すようでした。
なんだか怖くてうっすら不愉快なのですが、ずるずると作品世界の深みにはまっていくような。。。
妖しく美しい、この世と薄紙一枚で隔絶されたような世界に、足をとられないように慎重に読みました。

そういえば小川さんの作品を読むときの感覚は、さらさらした砂の上を歩くときの感覚に似ています。(個人の感想です)


長くなったので今日はここまで。
続きもありますが、そろそろ製作もしないと。
あと健康診断行かないと。
あ、健康診断行く前にちょっと運動して体重を落としときたい(←泥縄)。
家の中も片付けたい。

どれも、そろそろゆるりと動き出します。


今日も読んでくださってありがとうございました。

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by vitablommor | 2015-09-04 09:39 | 本・CD・DVD | Comments(0)

コサージュや布雑貨の製作、販売をしています。 


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