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作れなかった帽子のこと

今回の展示会で、実はすごく作りたかった帽子がありました。
Papa told me 6巻に出てきた 小川さんの帽子

Papa told me (6) (ヤングユーコミックス (069))

榛野 なな恵 / 集英社


スーパー家政婦さんの小川さん 何もかもきっちりしすぎておうちの生活指導員みたいな彼女が、ふと懐かしそうに手に取った美しい帽子。

昔 持っていた帽子に似てるわ-

女学生のころ 銀座のお店で見かけて どうしても欲しくて 
さんざんねだって買ってもらったんですよ
大人になったらかぶろうと思って 大切にとっておいたのだけど

はじめてそれをかぶって外を歩いていたら近所の人に見とがめられて
大声でしかられて

すぐにぬいで家に走って帰って押し入れの中にしまいこんでしまったわ


どうして?おしゃれしちゃいけないの?

仕方がないんですよ そのころにはもう戦争が始まっていて


戦争っていうのは、外国と敵同士になるだけじゃなくて、自国内にもヒリヒリした敵対関係をつくるものなのだな、と、このお話にしても、「カーネーション」や「ごちそうさん」観ててもひしひしと感じます。
もともとあったものを着たり使ったりするのに、贅沢もなにもないだろうよと思うのだけど、ねえ、「カーネーション」でも金糸の縫い取りのある布の処分に困っていたり、おしゃれもんぺが禁止されてましたよね。
あいつが贅沢していないか、隣がうちより得していい思いをしているんじゃないか、ピリピリ監視したがる人がいて、またそれが体制側に都合よくて「横暴」も「正義」になっちゃう。
本っ当に嫌だなーーーー。

「私だったら仕方ないなんて思わない
きっとおしゃれしちゃいけないなんて言う意地悪な人のことなんてぶっちゃうわ!」

と知世ちゃんは悲しそうにつぶやくのですが、庶民の日々のささやかな喜びは取り上げられて、命まで差し出せと言われる時代だったんだということが、彼女には実感としてわかっていないのです。


物語の中で小川さんは、意外な紳士に件の帽子をプレゼントされ、いったんは突っ返すのですが、知世ちゃんの 
「だれももう しかる人なんかいないわ」という一言で、数十年ぶりに再びその美しい帽子を取り戻します(といういい方は違うかもしれないけど)。


「果奈子ちゃんの帽子」と同様、こちらの帽子も作りたかったのですが、絵で見ただけではどうなってるのか今一つわからず、こちらは作れませんでした。しょぼーん。

でもいつも、願っています。
誰でも、じぶんの好きなおしゃれをして楽しめる時代が続くこと。

「甘いもの 美しいもの 無駄に見えても心がうるおいます」



今日の記事はいつにもましてまとまりがないですね、すみません。








お前偉いんだろ?だからこんなことになったんだぞ!なのに逃げるのか!?全部お前のせいでこうなったんだぞ!逃げるなんて許さないぞ‼!
野原しんのすけ(クレヨンしんちゃん)
Commented at 2014-06-12 10:16
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by vitablommor at 2014-06-12 20:27
鍵コメさま
素敵なコメントありがとうございます!
そうですね。ちゃんと形になるまではまだ時間がかかりそうですが、
こんな物語のある夢の帽子を、物語ごと置かせていただける場所は
あの空間しかないと思っています。
いつか納得できる形でお見せすることができたらと思います。

東京から!それはタイミングが合わなくて申し訳なかったです。
あと3日遅ければ・・・。
昨年も見てくださっていたなんて、ますますありがたくて申し訳ない。
もし今度お会いできたら幾重にもお礼を申し上げたいです~。
お会いできるといいな。
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by vitablommor | 2014-06-11 09:37 | 本・CD・DVD | Comments(2)

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