カテゴリ:本・CD・DVD( 122 )

子どもの本 大人の本

十歳までに読んだ本で、今でも心に残るものってありますか?
一冊挙げるとしたら何?

十歳までに読んだ本

西 加奈子,益田 ミリ,棚橋 弘至,杏,ミムラ/ポプラ社


作家、ジャーナリスト、女優、プロレスラーなど、いろんなジャンルの人たち(といっても圧倒的に作家が多いけど)が、そんな話を書き綴ったのがこの本。
私も子どもの頃から本好きだったのですが、親に本を買ってもらったことはほとんどなくて、田舎育ちで町に大きな本屋さんもなかったので、子どもの頃読んだ本はほとんどが学校の図書室にあったものでした。
我が小学校図書室は本当に小さくて蔵書数も少なく、世界名作全集的な物はあったけれど、かの有名な『モモちゃんとアカネちゃん』も『大どろぼうホッツェンプロッツ』もなかったため、これらの名作を読んだことのないまま大人になりました。

そういえばこの本では紹介している人がいなかったけど、有名な『ナルニア国物語』も20歳越えて初めて読んだのだった。

恩田陸さんの『夜のピクニック』で、登場人物の一人が『ナルニア国』を高校になってから読んで、「これを小学生の時か、せめて中学の時に読んでいたら、この本は絶対に大事な本になって、今の自分を作る何かになっていたはずだった。タイミングを外して悔しい」って話をする場面があるのですが、そういう本ってありますよね。児童書でもなんでも、良書は何歳で読んでも良書だし、本はいつでもあってくれるものですが(絶版になるものもあるけど)、やっぱり子どもの頃にしかできない読み方、子どもならではの感じ方ってあるから、出会うべきタイミングでその子にとってちょうどよい本と巡り合えると言うのはとんでもなく幸福なことであろうと思います。

今の子どもはゲームがあったり習い事をいっぱいしていたりで、本に触れる機会が減っていたりするのかな?
もちろんゲームも習い事も全然悪くないですが、現実の生活が苦しくなった時に、本の世界があるってことを知っていると少し助けになると思うんだよなあ。またこれも引用になりますが『海街ダイアリー』に、子どもの頃学校でいじめられて、誰にも見つからないように地図にない場所に逃げたいと思ったという主人公のいとこのエピソードがあるんだけど、本の世界ってまさにその『地図にない場所』ではないかと思うのです。

「子どもに本を」っていう言葉には、どこか教育的配慮というか、国語教育の一環的な臭いが付いちゃってる気がするけれど、子どもと本の繋がり方ってそういう感じじゃない。ごはんがおいしくって食べるの止まらないみたいに、喉が渇いた時にごくごく水を飲むみたいに、浴びるように沢山の本を読めばいいのにと思う。その楽しさと幸福感を知っているから、役に立つとか立たないとかじゃなくて、こんな面白いものがあるんだよー!って、おいしいものをすすめるみたいな気持ちで、「子どもに本を」って言いたいなと思いますし、子どもと本に関わる人にはそういう気持ちでいてほしいな~と思います。



そして大人になって初めて分かる本もあるのよ。

ワカコ酒 1巻

新久千映/ノース・スターズ・ピクチャーズ


知らなかったけど、ドラマにもなっているんですね~。
お酒あんまり強くないんですが、仕事終わって一杯飲んで『ぷしゅー』って満足の吐息。たまらん。
今は女性の一人呑みも珍しくなくなってきているんでしょうね。落ち着けるお店で、自分のタイミングで好きなおつまみとともに『ぷしゅー』、憧れます。「誰も待っている人がいないと言うのは幸福の一つのパターン」だと、これもまた別の本に書いてあったなあ。。。


読書の秋。ですね。



[PR]
by vitablommor | 2017-10-18 09:35 | 本・CD・DVD | Comments(0)

いまの流行り

たしかアメトーークの読書芸人特集だったと思うんだけど、オードリーの若林さんが、新書には一定の流れがあって、例えばある時「ポジティブシンキング」の本が売れると、同じようなポジティブシンキング系の本がどどっと出てくるんだけど、それからしばらくすると必ず「ポジティブシンキングなんてするな」っていう、前の流行を否定するタイトルの本が出てくると言ってました。

最近の流行はこれ系↓だと思うんだけど、すると半年後には「好きなことなんかで生きていけない」って本が出るのかな?

「好きなことだけやって生きていく」という提案

角田 陽一郎/アスコム

これ系のタイトル、今すごく多いですね。ホリエモンとか心屋仁之介さんとか、他にも何冊も出ています。
他の本は読んだことないんですが、こちらは読んでみました。なんでこれを読もうと思ったかは謎。

で、要は、「好きなことだけやって生きていく」ためには、今まで興味がないとか嫌いだとか思っていたことも興味を持って面白がれるようにしていくことで、好きなことの範囲が広がるから、だれでも好きなことだけやって生きていけるようになる、という話でした。
ほー、そうきましたか。

好きなことをどうやって増やしていくか、そこからどんなアイディアの出し方をして、世の中にどう伝えていって仕事に繋げていくか、という話から、今、こういう本が売れているのは「好きでもないこと」を仕方なくやって生きている人が多いからだろうけど、今後は人間がやりたくもないような仕事はAIが発達して機械がやるようになる時代がくるのだから、自分の好きなことを広げて、創造して仕事につなげていける人でないと、これからの時代は生き残れないよ、と言う話で締めています。

好きなことだけやって生きていく っていうのも、甘くないんだね~。



[PR]
by vitablommor | 2017-09-11 10:00 | 本・CD・DVD | Comments(0)

夜更かし本

大泉洋を主役として「あてがき」したことで話題の小説『騙し絵の牙』
それだけだったらいくら洋ちゃんファンだって言ってもすぐには買わなかったとおもうのですが、作者があの『罪の声』の塩田武士さんだったので、早速買って読んでみました。

騙し絵の牙

塩田 武士/KADOKAWA

出版業界を舞台にしたお話で、頭の回転が早く、ウィットに富んだ話術で周囲を魅了する敏腕編集者の速水が、脳内で大泉洋の声と姿で喋り、笑い、悩み、歌い、、、実に生き生きと動き回ります。面白かったです。
10時すぎから読み始め、夜中の2時半までかかって一気に読了しました。

作者が塩田さんなので、どうしても前作『罪の声』と比べてしまって、前作の方が・・と言いたい気持ちもあるのですが、これはこれですごくよかったです。

本作にも書かれている通り、出版業界は今ネットの台頭で本を読む人が減ったり(この間も久しぶりに東京の地下鉄に乗ったら、老若男女問わず車両中のほとんどの人がスマホ見てました。見てなかったのは私ともう一人くらいしかいなかったな~。見慣れてないから、ちょっと気持ち悪い光景だなと思ってしまった)、電子書籍が出てきてで紙媒体の本や雑誌が売れなくなったり、色々と厳しい現実に直面しているようです。そういえばちょっと前の新聞でも、全国で書店が減り続けていて、書店が一個もない『書店ゼロ自治体』が、400以上あるのだと報じられていました。ほとんどは町や村らしいですが、中には市なのに書店ゼロなんてところも・・!市なのにー!

本屋さんの無い街・・・ツライ。。。

なので私も本はできるだけ地元の本屋さんで買うようにしています。
とはいえ取り寄せ1週間・・・とかなっちゃうと、amazonのお世話になってしまいますし、amazonが私の好みや興味を推察しておすすめしてくることで、へー、こんな本があるのか~・・・と初めて知ることもあるので(監視されとる!と思うと怖くもある。楽天も同様)、ネット書店に否定的なわけではないんですけどね。


でも最近雑誌は買わなくなりました。
オーバー40だけどハイクラスではなくて、超個性的でもなくて、丁寧な暮らしをしているわけでもなくて、特にナチュラル志向でもない人は何を読んだらいいのー???







[PR]
by vitablommor | 2017-09-07 10:15 | 本・CD・DVD | Comments(2)

そうは言いつつ

ミニマリストになりたいわけじゃない、と言いつつ、最近私が読んだ本がこんな感じ

a0213793_10325428.jpg

いえいえ、なんにもない家に住みたいわけじゃないよ。
でも、持ち物は自分が管理できる量だけ。そして持っているものが全部お気に入り。っていうのが、本来は誰にとっても快適なおうちの姿なんじゃないかと最近しみじみ思うわけです。

ゆるりまいさんの本は初めて読みましたが、あそこまで何にもない家になった原点が震災にあったと知って深く納得しました。
アフロの稲垣さんの超節電生活も、同じく東日本大震災の原発事故が発端。

あの震災から6年経って、原発が再稼働しだしたり、結局何の反省もなく震災前に戻っていこうとしているように感じていたけれど、実はあちこちでこんな風にじわりじわりと変わっていっているものも沢山あるのかも。

どちらの本も面白かったです。
稲垣さんのは前の2冊も読んでいたので重複する部分も少しありましたが、それでも十分に読みごたえがありました。それに、さすがに元朝日新聞論説委員だけあって、文章がとても読みやすい。こういう文章を私も書けるようになりたいです。


ちなみに奥に映っている本『ご本、出しときますね?』はBSジャパンで放送された、オードリー若林さんと作家さんとの対談番組を書籍化したものだそうです。面白かった。番組観たかったです。


[PR]
by vitablommor | 2017-07-20 10:48 | 本・CD・DVD | Comments(0)

世界は本当は広い

少し前の話になりますが、東大卒で美人で超有名大手広告代理店に就職したお嬢さんが、過労とパワハラが原因で自死してしまったニュースを知った時、「何で?」「辞めればよかったのに。他のどこでだってやっていけただろうに」と思った人は私以外にも大勢いたのではないかと思います。

美人で若くて頭が良くて友達もいて家族もいて、これから輝く人生が待っていただろうに。
色んな可能性があっただろうに。
あなたを愛していた人が、大勢いただろうに。

なんで?

と、思っていましたが、この本を読んだら「ああ、なるほど」と腑に落ちました。

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)

汐街コナ/あさ出版

ブラック企業で働きすぎて、それまで全然そんな気なかったのに、あるとき帰宅途中の駅のホームでふと、
「今一歩踏み出せば、明日は会社に行かなくていい」( ᐛ )パアッ 
と思いついてしまって、うっかり死にかけた著者が、どうしてそうなるまでがんばりすぎちゃうのか、そこからどうやって抜け出したか、などの体験談を踏まえつつ、今、同じような状況にある人に「世界は本当は広いんです」「あなたの人生のハンドルはあなたが握っているのだから、行く道は自分で選べる」と訴える本でした。

私は会社員時代に過労で死にそうになったことはないですが(過労死ラインを越える残業時間の時もあったけど、何か月も続くことはなかったし)、そういえばコドモを産んで半年くらいの頃、ひどい過労状態だったことがありました。

とにかく寝てくれない子で、夜も寝ないし昼間も私が抱っこして立って歩いている時しか寝ないので、毎日2~3時間しか寝られない状態が何か月も続いて。初めての育児で慣れないことだらけだったし、母乳も与えていたので貧血気味だったし、実家は遠く、近くに頼れる友達もいなくて、でも自分が頑張らなきゃ、となんか無駄に頑張っていました。
母やお姑さんは電話で「部屋が汚くても死なないんだし、赤ちゃんが寝ているときに家事しようなんて思わなくていいから。一緒に寝て体力温存しなさいよ」って声をかけてくれたのですが、なんかその時は「そういうわけにはいかない」って思っちゃったんですよね。
ごはんの支度だってあるし、掃除も毎日しないといけない。とりあえず抱っこ意外で寝てくれないし、赤ちゃんと一緒に昼寝なんて無理!って思って、とにかくがむしゃらに頑張っていました。

で、そんな状態であるときふと、「子どもを殺して自分も死ねばラクになる」って思いついちゃったことがありました。
たしかお風呂に入っているときだったな~。
子どものお風呂だけは夫にやってもらっていて、それがすんでから私が一人でお風呂に入っていたのですが、お風呂場にいても子どもの泣き声が聞こえていつも気が気じゃなかったんですよね。今なら「別に死ぬわけじゃないし、泣かしとけ」って思うんですけどね。
その頃は24時間気が気じゃないと思っていた。私が気を抜くと大変なことになると思い込んでいた。・・・ので、もう嫌だラクになりたいと短絡的に思っちゃったんですね。

怖いのはその恐ろしい思い付きで、その時はなんだか光明が差したような気になったということです。
ああ、いいこと思いついた。くらいの気持ち。
この本の著者さんが、電車に飛び込めば明日は会社に行かなくていい!と思った時も「素晴らしいアイディアを思いついた」ような気になったと書いていましたがまさにそんな感じ。

私の場合は思いつきから5秒後くらいに
「あ、でも(死ぬのは)両方じゃなくていいんだ。どっちかでいいんだわ」と思いついて、
「そうすると私の方か~」
「となったらその後は子どもは誰が育てるのかな?」
「・・・・お姑さんかな?。お姑さんだな・・・」
「・・・・・」
「・・・それは、なんか悔しいな・・・」
「やっぱ私が育てる。生きる!」
と、メンタル上向きになったのですが、人間寝不足が続くと判断力がなんかおかしなことになるってことを体感した出来事でした。


まあその後は着々とダメ母さんとしての歩みを進めて今に至るわけですが。

真面目だったんだな。
自分が頑張らなきゃ、って抱え込もうとしていたんだな。

でも、俺がやらねば誰「か」やる んだよね、実は。
世の中の99%以上のことは。

困ったら「困っています」って言えばいいんだ。
できないことは「できませーん」でいいんだ。
仕事はほかに振っちゃえばいい。ダメでいい。頼りにならない人でいい。
何もできない自分でも、別に無価値になるわけじゃない。

真面目な人ほど、そこに気づかないか、気づいても「それはできない」って思いがちだけど、
絶対、死ぬよりはいいから!

そういう感じなので、今何かで頑張ってて、でも疲れていて、でも周りも頑張っているし、私が頑張らないと周りに迷惑がかかるし、って思って投げ出せないでいる人は、この本を読んでみることをお勧めします。
まわりにそういう感じの人がいる人も。接し方のヒントになると思います。



[PR]
by vitablommor | 2017-07-03 09:57 | 本・CD・DVD | Comments(0)

ユートピア中学校

久しぶりに本を買いました。
インスタグラムでフォローしている方の本です。
最近、インスタでイラストや漫画を投稿して人気になった方が本を出すパターン多いですね~。

こちらは、中学で美術の先生をされている著者のイトウさんが、学校での周りの人たち(中学生や先生方)との日常を切り取って1ページ漫画として投稿していたものがまとめられています。
イトウ先生の高校時代を描いた描き下ろしマンガもあります。

読んでいて笑ったり、ほっこりしたり。ものすごくいいんです。

あれ~?中学生ってこんなにかわいいんだっけ?
先生ってこんなに生徒思いで、生徒の個性をよく見ているものなんだっけ?

この中学が特別なのか、イトウ先生のフィルターを通していいところだけ描いてあるのか、
こんな学校なら誰だってきっと通いたいと思うような、楽しげで温かな日常がキラキラしていて、
子どもたちも、同僚の先生方も、みんな素敵でやさしくてかわいらしくて愛おしいんです。

いいな~。こんな先生いたらよかったな~。
こんな中学だったらよかったな~。。。


私は、絵を描くのは小さいころから好きだったけど、中学の美術の授業は嫌いでした。
正直、先生が嫌いだったから。
先生のアドバイス(ほとんど命令)通りに修正を重ねた絵は、ちょいちょい優秀作品扱いで廊下に貼りだされていたけど、自分では好きではなくて、返却された作品はただのゴミ。その日のうちに教室のゴミ箱に捨てて帰っていました。

そう。私自信もこの本の中学生とは違って、全然かわいくない子どもだったのでした。

・・・変な記憶が蘇ってしまった・・・・(´Д`|||)


わたし自身の中学時代の現実とは大分乖離がありますが、それでも中学生あるあるっぽい感じが懐かしかったり、先生が中学生を見つめる目線がとても優しかったりでじわじわ温かな気持ちになれる本でした。


インスタではこの方のジブリイラストもとてもいいんですよ。





[PR]
by vitablommor | 2017-06-26 09:52 | 本・CD・DVD | Comments(0)

海街新刊

スローペースで刊行中の『海街diary』
新刊『恋と巡礼』が発売になっていたので買って読みました。今回もよかったー(以下ネタバレあります)

海街diary 8 恋と巡礼 (フラワーコミックス)

吉田 秋生/小学館

来春には家を出て静岡の高校に進学することが決まっている四女のすず。加えて今巻では三女のチカが結婚し、来年、夫であるアフロ店長がエベレストから戻ってきたら家を出ていくことが決まりました。四姉妹での生活が徐々に終わりに近づいていきます。あと数回で完結だろうか。寂しい。。。

回を増すごとに、次女佳乃の存在感が大きくなるなあと思いながら読んでいますが、今回もよっちゃんがなかなか深いこと言ってます。
山猫亭の福田さんやお寺のノエル住職も相変わらずいい。

家族とでも家族以外の人とでも、思いやりや優しさをもって向き合ってご縁を繋いでいくことの大切さ、かけがえのなさを、読んでいるとしみじみと感じます。


私事ですが、うちのコドモも来年になったら家を出ていくかもしれないという時期にきました。
小さいころは子どもがいる故の不自由さにあっぷあっぷしていて「早く大きくなってー。手を離れて~!」と思っていたと言うのに、勝手なものでもうすぐ手を離れると思うとかーなーりーーーー寂しい^^; 

でも自分が大学進学で家を出る時には私はもう大ニコニコで、長期休みにも滅多に帰省せずのまま今に至っているので、まあ因果は巡るってやつですね。

転機にはだれでも不安で心がざわざわするけれど、それを乗り越えていけるだけのたくましさは、誰もがちゃんと持っていると信じたい。
海街のみんなも、私や周りのみんなも。


早くも続きが気になりますが、あまりさくさく時間が進んでほしくないな~、もっと長く読んでいたいな~と思う、鎌倉の物語。
未読の方はぜひ。おすすめです。



[PR]
by vitablommor | 2017-04-13 09:19 | 本・CD・DVD | Comments(0)

素直に正直に

この時期になったらもう帽子の製作過程や出来上がった作品をどんどんアップして行って『5月のイベント、きてくださいね』のアピールをしていかねばならぬと思ってないわけじゃないのですが、ひとまず今日も自分以外の人の話を書かせてください。

星野源が好きなので買いました。『いのちの車窓から』

いのちの車窓から

星野 源/KADOKAWA

ダヴィンチで連載中のエッセイの書籍化。連載は現在も継続中だそうです。

以前から、源ちゃんのエッセイはいいなあと思っていましたが、今回の本もよかったです。
文章は飾り気がなくシンプルで、特別なことばかり書いてあるわけじゃないけれど、その時々の思い、目にした風景、出会った人々のことがまっすぐに正直に書かれていて、読み心地の良い本でした。

飾らず、素直に、自分に正直に。

そういう文章の、ひいては生き方の姿勢は、実は学生時代に聞いていた『コサキンDEワァオ』というラジオ番組を通して、DJの小堺さんと関根さんの姿勢から受け取ったものなのだそう。

私はそのラジオ番組は聞いたことが無いけれど、確かにコサキンお二人のお人柄はその通りに見えますし、源ちゃんの人柄も、きっとそんな感じなんだろうなあ、だからいろんな人に好かれているんだろうなあと文章を読んで感じました。


実は、自分自身の近年のテーマが「正直に」です。

昔から「助けて」「手伝って」が言えない性格で、無理して一人で頑張りがちでした。
人に手伝ってもらった方が何倍も効率がよかったり、いいものができたりしただろうに。
そして、実は断り下手でした。どこかでいい人に思われたかったり、嫌われたくないと思ったりしていたのでしょう。
でもそう思ってもらえていたのかどうかなんてわかりません。もしかしたら私のそういう損得勘定を見抜かれて、かえってなんとなく信用できないとさえ思われていたかもしれません。
なのに、なんだか無理したり我慢したりして内心もやもやをため込んだり、それを見ないふりをしたり、そんなのばっかり長年続けてきたわけですが。

そういうの、もうやめたいわー、って思って。
無駄な頑張りや我慢は、結局誰のためにもならないし。
基本、私は面倒くさがりなので、もう色々シンプルなのがいいんです。
「私のことを嫌うなら嫌うがいいさ!」っていうような尖がった感じじゃなくて^^;
できれば人に好かれたいし、人を好きでいたい。
好きな人が困っていたら何かしてあげたいとは思うけど、そこで無理はしない。
そこに変な罪悪感を抱かないで、どう思われたいとかの欲をかかないで、素のままの自分にOKを出したい。

星野源ちゃんは私よりだいぶ年下ですが、そういったことへの答えを、もう持っているように感じました。

素敵な本でした。



[PR]
by vitablommor | 2017-04-04 10:04 | 本・CD・DVD | Comments(2)

鎌倉本 (訂正あり)

おすすめされて、小川糸さんの『ツバキ文具店』を読んでみました。

ツバキ文具店

小川 糸/幻冬舎

小川糸さん、『食堂かたつむり』を以前読んだことがあります。
映画化されるなど評価の高い話題作でしたが、私にはあんまりピンとこなくて(ファンの方すみません、個人の感想です)、それ以来、小川糸さんの作品に触れることはありませんでした。

本作も『食堂かたつむり』も、自分をあまり愛してくれなかった(と本人は思っている)亡くなった祖母(『食堂・・』では母)に恨みやわだかまりを残しつつ、諸事情で実家に戻ってお店をオープンした主人公の女性が、自分の仕事でお客さんに幸せを提供していきながら、そのことで自分の生き方に自信をつけると同時に心の傷も癒されていき、また徐々に祖母(母)の内面(自分が愛されていたということも)を知っていくというお話。テーマとしてはほぼ同じと言えると思います。

でも『ツバキ文具店』は私にも面白かった。

どこが違うのかな~?と考えたのですが、それをつらつら書いてもなんだか『食堂・・』の方をディスってる感じになってしまうのでやめておきます。単なる好みの問題でもあると思うので。

そんなわけで以前の小川糸さん作品、なんだか合わなかった・・という人も、この本は面白いと思えるかもしれません。

舞台が鎌倉なのですが、たまたま少し前に鎌倉の街を歩いてきて、お話に出てくる『レンバイ』も『オクシロモン*』も見てきたところだったので、なんだか物語の臨場感が増して感じられました。
*『オクシモロン』ですよ~、と勘違いを訂正していただきました。『頑固もん』とかみたいな言葉かと思っていた^^;
オクシモロン(oxymoron)=撞着語法 「明るい闇」「賢明な愚者」みたいに意味の矛盾する語句を並べる修辞法 だそうです。

他にも美味しそうなお店がいくつも出てきたので、案外鎌倉案内本としても役に立つかも?




[PR]
by vitablommor | 2017-03-21 10:16 | 本・CD・DVD | Comments(2)

読書・今月のベスト1

昭和の未解決事件『グリコ・森永事件』をリアルタイムで知っている世代です。
その当時子どもだったので、犯人の「かい人21面相」からの挑戦状がなんだか面白くて、不謹慎ですがドラマを見ているような感じで、わくわくしながら事件の推移を見守っていたように記憶しています。
グリコの社長誘拐や、青酸ソーダ入りの菓子をばらまくなどの無差別殺人未遂事件、これによる食品メーカーへの脅迫など、一連の犯行は卑劣で許しがたいものであるにもかかわらず、関西弁で警察をからかったりコケにしたりしながら煙に巻く様子が、どこかユーモラスな印象を与えていました。

さて、40代以上の人ならご記憶でしょうが、この事件では子どもの声が録音されたテープが、犯人からの現金受け渡しの指示に使われたことがあり、その点でも世間を騒がせました。
表題の『罪の声』とはその声のことです。

物語は事件が完全時効を迎えた後、京都でテーラーをしている主人公が、母親の部屋で『The G.M. case』と書かれたノートと、幼い自分の声が吹き込まれた脅迫テープを見つけるところから始まります。


私はこの本を読むまであの子どもの声については忘れていたのですが、あの時、テープに声を吹き込んだ子どもたちは、今、30代後半~40代くらいのはず。
今、どうしているんだろう。あの事件のあと、どういう人生を送ったことだろう。どういう経緯であのテープに声を吹き込んだのか。そして、あの事件と自分との関わりを理解しているのだろうか。


この物語はあくまでフィクションではありますが、綿密な取材がされているためもあり、細部にわたって実にリアルで、この中に真実があるのではないかと思ってしまうほどです。


2月に読んだ本の中で、ベスト1でした。
あの事件をリアルタイムで知っている方たちには特におすすめです。



[PR]
by vitablommor | 2017-02-27 15:19 | 本・CD・DVD | Comments(0)

コサージュや布雑貨の製作、販売をしています。 


by vitablommor
プロフィールを見る