2017年 02月 27日 ( 1 )

読書・今月のベスト1

昭和の未解決事件『グリコ・森永事件』をリアルタイムで知っている世代です。
その当時子どもだったので、犯人の「かい人21面相」からの挑戦状がなんだか面白くて、不謹慎ですがドラマを見ているような感じで、わくわくしながら事件の推移を見守っていたように記憶しています。
グリコの社長誘拐や、青酸ソーダ入りの菓子をばらまくなどの無差別殺人未遂事件、これによる食品メーカーへの脅迫など、一連の犯行は卑劣で許しがたいものであるにもかかわらず、関西弁で警察をからかったりコケにしたりしながら煙に巻く様子が、どこかユーモラスな印象を与えていました。

さて、40代以上の人ならご記憶でしょうが、この事件では子どもの声が録音されたテープが、犯人からの現金受け渡しの指示に使われたことがあり、その点でも世間を騒がせました。
表題の『罪の声』とはその声のことです。

物語は事件が完全時効を迎えた後、京都でテーラーをしている主人公が、母親の部屋で『The G.M. case』と書かれたノートと、幼い自分の声が吹き込まれた脅迫テープを見つけるところから始まります。


私はこの本を読むまであの子どもの声については忘れていたのですが、あの時、テープに声を吹き込んだ子どもたちは、今、30代後半~40代くらいのはず。
今、どうしているんだろう。あの事件のあと、どういう人生を送ったことだろう。どういう経緯であのテープに声を吹き込んだのか。そして、あの事件と自分との関わりを理解しているのだろうか。


この物語はあくまでフィクションではありますが、綿密な取材がされているためもあり、細部にわたって実にリアルで、この中に真実があるのではないかと思ってしまうほどです。


2月に読んだ本の中で、ベスト1でした。
あの事件をリアルタイムで知っている方たちには特におすすめです。



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by vitablommor | 2017-02-27 15:19 | 本・CD・DVD | Comments(0)

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