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11月読書記録

備忘録として。
よろしければお付き合いください。

今日の人生

益田ミリ/ミシマ社

なんとなく、軽く読める本が欲しいなって時に、益田ミリさんの本をよく手に取ります。
シンプルなコマ割(基本4コマが多い)に、背景もほとんどないシンプルな絵。内容も読みやすくて、そこはかとなく可笑しかったりしんみりしたりするので好きなのです。

この本もそんな感じで、何か軽く読みたいと思って買い、期待通りの読み心地でよかったのですが、いつもシンプルな絵が、ますますシンプルになりすぎているのがちょっと気になりました。
だって主人公(自画像)以外のキャラが結構な割合で棒人間なんですよ~。あの、頭が『〇』、体が『|』、手足が『/』の超シンプルな人間の記号。
ただの通行人やその他大勢の人じゃなくて、主人公の会話相手だったり、そのエピソードの肝になる会話をしている人が棒人間。
別に棒人間でも話は分かるのですが、プロの漫画家さんがお仕事として描いた漫画でそんなのアリ???って、そこだけはちょっと不満に思ってしまいました。


わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)

カズオ イシグロ/早川書房

で、そんな感じでいいんだったら私でも描けちゃうじゃん、という不遜な思いもあって、書いてみたのが前記事のエッセイ風漫画。
そしてそこで「前の(に読んだ)作品の方がよかった」ってぶちぶち言ってたのは、実はこちらでした。
といってもこの作品も面白くなかったわけじゃないんです。十分面白かったんですが、色々と「んんん?」と感じるところがあって、私の好みとしては『日の名残り』の方がよかったなという感想だったんです。
こちらの作品の方が好きだって言ってた人も知ってますし、これはこれで、冒険譚としての面白みがありました。

カズオイシグロ作品に通底するテーマは「記憶」なんだそうですが、「記憶」って時を経るとどんどんあやふやになったり、別の記憶と混ざったり、いろんな意味が加味されてしまったり、美化されたりと事実とは異なるものに変わっていきますよね。
この作品を読んでいると、そういう、あやふやな記憶の中を歩いている感じがしました。
たま~に、すごくストーリー性のある夢を見て、「夢の中ではすごく辻褄が合ってたんだけど、目が覚めてみると色々変だよね」って、起きてから夢を反芻する時あるでしょう?あの感じに似ているような。
でも割とさらっと読んでしまったので、深く読み込めばまた違う感想を持つかもしれないです。


ずるいえいご (日経ビジネス人文庫)

青木 ゆか,ほしのゆみ/日本経済新聞出版社

先日鎌倉に行った帰りに、大船駅での乗り換えに30分以上の待ち時間ができて困った時に、駅構内の本屋さんで買いました。
中高と英語は苦手中の苦手科目で、「私が大人になるころには自動翻訳機ができているに違いない。英語なんて勉強しなくてもきっと困らない」と嘯いて勉強から逃げていましたが、今もういい大人になって、実際英語ができなくて困る場面もほとんどないような生活をしていても、やっぱりどこかで英語が話せる人への憧れがあるのですね。むむぅ、なんか悔しいな。

英語が得意だと思って高校でイギリス留学をして、そこで全然喋れずに撃沈した著者が、その後懲りずに留学したアメリカで、同じ日本人留学生の使っていたシンプルな英語に触れて「こんな簡単な単語だけで喋れるんだ!」「難しく考えることなかった!単語なんてそんなに知らなくてもいいんじゃん」と開眼。中学程度の単語力でも英語は喋れるよ、というのを描いた漫画です。
後半は日本語→英語の言い換えエクササイズのページもあって、これは、来年から留学するという友人の娘さんに役立ちそう。薦めねば!と思って強引に貸し出しました。感想どうかな~?
なかなかの良本なのではないかと思います(英語喋れない人間の言うことではないかもしれないけど)。


お話はよく伺っております (文春文庫)

能町 みね子/文藝春秋

バスや電車や喫茶店などで近くにいる人たちの会話って、たまに面白いですよね。
単独行動が多いので、そういうときはついつい他人の会話に聞き入ってしまいます。
能町みね子さんが、そんな風に街中で耳にした他人の会話を蒐集し記録し、そこからたまにその人たちの関係性などについて妄想を繰り広げたりしているのがこの本です。
同じ趣味嗜好の人の話を聞いているような面白さがありました。素直に面白かった。

あと、ちなみにですが私は神社の絵馬と七夕の短冊鑑賞も趣味でございます。


本日は以上。
お付き合いくださり、ありがとうございました。







Commented by gonza at 2018-07-26 17:54 x
カズオイシグロって、あの「私をはなさないで」の人ですよね?映画でしか観てませんがトラウマになってます(笑...)。予告編で観て「ああ、これは絶対無理っ!」って思っていたら夫が借りてしまって(観出して途中で気が付いたけど、結局全部観てトラウマに)。戦争映画とか平気なのに、人ってウィークスポットが違いますよね。あ、全然関係ないコメントだったかな。
Commented by vitablommor at 2018-08-01 12:15
> gonzaさん
私は戦争映画苦手。モブキャラですぐ死んじゃう敵方兵士にも家族がいるだろうに…とかつい考えるのでストーリーが入ってきません。
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by vitablommor | 2017-11-15 10:09 | 本・CD・DVD | Comments(2)

コサージュや布雑貨の製作、販売をしています。 


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