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世界は本当は広い

少し前の話になりますが、東大卒で美人で超有名大手広告代理店に就職したお嬢さんが、過労とパワハラが原因で自死してしまったニュースを知った時、「何で?」「辞めればよかったのに。他のどこでだってやっていけただろうに」と思った人は私以外にも大勢いたのではないかと思います。

美人で若くて頭が良くて友達もいて家族もいて、これから輝く人生が待っていただろうに。
色んな可能性があっただろうに。
あなたを愛していた人が、大勢いただろうに。

なんで?

と、思っていましたが、この本を読んだら「ああ、なるほど」と腑に落ちました。

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)

汐街コナ/あさ出版

ブラック企業で働きすぎて、それまで全然そんな気なかったのに、あるとき帰宅途中の駅のホームでふと、
「今一歩踏み出せば、明日は会社に行かなくていい」( ᐛ )パアッ 
と思いついてしまって、うっかり死にかけた著者が、どうしてそうなるまでがんばりすぎちゃうのか、そこからどうやって抜け出したか、などの体験談を踏まえつつ、今、同じような状況にある人に「世界は本当は広いんです」「あなたの人生のハンドルはあなたが握っているのだから、行く道は自分で選べる」と訴える本でした。

私は会社員時代に過労で死にそうになったことはないですが(過労死ラインを越える残業時間の時もあったけど、何か月も続くことはなかったし)、そういえばコドモを産んで半年くらいの頃、ひどい過労状態だったことがありました。

とにかく寝てくれない子で、夜も寝ないし昼間も私が抱っこして立って歩いている時しか寝ないので、毎日2~3時間しか寝られない状態が何か月も続いて。初めての育児で慣れないことだらけだったし、母乳も与えていたので貧血気味だったし、実家は遠く、近くに頼れる友達もいなくて、でも自分が頑張らなきゃ、となんか無駄に頑張っていました。
母やお姑さんは電話で「部屋が汚くても死なないんだし、赤ちゃんが寝ているときに家事しようなんて思わなくていいから。一緒に寝て体力温存しなさいよ」って声をかけてくれたのですが、なんかその時は「そういうわけにはいかない」って思っちゃったんですよね。
ごはんの支度だってあるし、掃除も毎日しないといけない。とりあえず抱っこ意外で寝てくれないし、赤ちゃんと一緒に昼寝なんて無理!って思って、とにかくがむしゃらに頑張っていました。

で、そんな状態であるときふと、「子どもを殺して自分も死ねばラクになる」って思いついちゃったことがありました。
たしかお風呂に入っているときだったな~。
子どものお風呂だけは夫にやってもらっていて、それがすんでから私が一人でお風呂に入っていたのですが、お風呂場にいても子どもの泣き声が聞こえていつも気が気じゃなかったんですよね。今なら「別に死ぬわけじゃないし、泣かしとけ」って思うんですけどね。
その頃は24時間気が気じゃないと思っていた。私が気を抜くと大変なことになると思い込んでいた。・・・ので、もう嫌だラクになりたいと短絡的に思っちゃったんですね。

怖いのはその恐ろしい思い付きで、その時はなんだか光明が差したような気になったということです。
ああ、いいこと思いついた。くらいの気持ち。
この本の著者さんが、電車に飛び込めば明日は会社に行かなくていい!と思った時も「素晴らしいアイディアを思いついた」ような気になったと書いていましたがまさにそんな感じ。

私の場合は思いつきから5秒後くらいに
「あ、でも(死ぬのは)両方じゃなくていいんだ。どっちかでいいんだわ」と思いついて、
「そうすると私の方か~」
「となったらその後は子どもは誰が育てるのかな?」
「・・・・お姑さんかな?。お姑さんだな・・・」
「・・・・・」
「・・・それは、なんか悔しいな・・・」
「やっぱ私が育てる。生きる!」
と、メンタル上向きになったのですが、人間寝不足が続くと判断力がなんかおかしなことになるってことを体感した出来事でした。


まあその後は着々とダメ母さんとしての歩みを進めて今に至るわけですが。

真面目だったんだな。
自分が頑張らなきゃ、って抱え込もうとしていたんだな。

でも、俺がやらねば誰「か」やる んだよね、実は。
世の中の99%以上のことは。

困ったら「困っています」って言えばいいんだ。
できないことは「できませーん」でいいんだ。
仕事はほかに振っちゃえばいい。ダメでいい。頼りにならない人でいい。
何もできない自分でも、別に無価値になるわけじゃない。

真面目な人ほど、そこに気づかないか、気づいても「それはできない」って思いがちだけど、
絶対、死ぬよりはいいから!

そういう感じなので、今何かで頑張ってて、でも疲れていて、でも周りも頑張っているし、私が頑張らないと周りに迷惑がかかるし、って思って投げ出せないでいる人は、この本を読んでみることをお勧めします。
まわりにそういう感じの人がいる人も。接し方のヒントになると思います。



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by vitablommor | 2017-07-03 09:57 | 本・CD・DVD | Comments(0)

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